しるしのないカレンダー

定年退職した自由人のBLOGです。庶民の目線であんなこと、こんなこと、きままに思ったことを書いてみたい。

実家の茶の間

2015年09月17日 | Weblog

「地域の茶の間」がほしい。うちの地域には無い。開設にあたり研究の為、視察したいと思っていた。「実家の茶の間・紫竹」という施設を見学できた。河田桂子さんが昨年の10月に開設した施設だ。前身の施設は「うちの実家」という別の施設で10年の経験がある。

新潟市の協同事業として地域包括ケア推進モデルハウスとして「実家の茶の間・紫竹」がオープンした。「人と人とのつながり・人と社会とがつながっていることで、やさしさが広がること」を願って「赤ちゃんからお年寄りまでだれでも気軽に過ごせ、交流できる場」を目指している。参加費(茶・菓子代)300円、昼食代(300円)入口で払って朝10時から夕刻まで過ごすことができる。

「誰かに会いたい・行くところがほしい・誰かと一食お茶のみがしたい・一緒に食事がしたい」そんな気持で来た人が、お互いの不自由を知り自然にいつのまにか自然に手助けし合うようになる場。「実家の茶の間」は利用者へのサービスの場ではありません。「場の利用者が自発的に運営する場なのです」当番もすべて「場」の利用者となります。従来の「地域の茶の間」と意識が異なります。

自分の「実家」に帰って来た気持で過ごしてほしい。実家なのだから、食事も窓の開け閉めも家の修理も自分でする。玄関では、自分で記帳して、参加費を箱に入れ、おつりも自分でとる。誰が来ても「あのひと誰?」という目つきをしない。

テーブルや椅子の配置は固定しない。世話をする人、される人の関係は固定しない。食事は当番がします。最後の一人が箸を置くまで、食器は片付けない。仲良しクラブではない。訊きださない。紙コップを使う。決まったプログラムはない。自分のやりたい事をし、居たいようにする。

10時から16時まで出入り自由。遠慮せずに自分から手助けを頼む。気持ちよく手伝う。助け合う。配膳、下膳、庭掃除、除雪なども、できる人が自発的にやる。当番は茶の間2人、食事作り2人の体制だった。少額の有償ボランテイアとし、自発的に申し出た人でローテーションを組んでいた。家賃と光熱水費は新潟市の負担。他は利用者の年会費、参加費、バザー収益、寄付金で賄っている。

開設にあたりかかった費用はわずか40万円という。他はすべてボランテイアの労力で賄った。

掃除、障子の張替、トイレ設備、厨房設備。近隣住民への挨拶、理解を求める説明会の開催。多くの開設に至るまでのプロセスを聞いた。平成29年4月には始まる地域包括ケアシステム。地域がお世話できる場の提供。要支援1.2の利用者の受け皿。そんな期待も感じさせてもらえた良い研修・学習会でした。


ブログランキング

人気ブログランキングへ