●棒の上の矢印が移動するという現象のスティックタイプのパドルマジック。いやあ、スティックタイプのパドルも探せばあるものだね。
金属製。扱いやすい。
●内容がわかりやすいので、マンスリーマジックレッスンショッパーズの製品紹介から引用すると
●この「矢印」であることが曲者で「後退」「分裂」の理由付けが難しい。
原案は後退して、分裂がクライマックスなのである。
●そこですごいのが『The Trick Is Not Enough SFマジックフェスティバル・コレクション7』(2011年発行)所収の鈴木徹氏の「動く矢印」である。カズ・カタヤマ氏編の『クロースアップ・マジック コレクション 2』(東京堂)にも入っている(らしい)。
これが、パドルマジックとは思えないくらい「じんわりと」移動するのである。
予備知識なしに鈴木徹氏から直接見られた人が羨ましいかぎり。
出現→(じんわりと)移動→消失という流れである。
ただ、短すぎるのが、一部のマニア(私だ、私のことだ)には寂しいか。分裂できるのになあという感情である。
●で、だ。
●パドルの軽快な移動の良さ。このパドルにふさわしい「じんわりと」した移動の良さ。できるのだから分裂も入れたい。というか分裂はパドルの華である(勝手に言っています)。
●それらができているシンドウ氏の動画をYuMo氏より教えていただく。実は一度見ていたが、その時はジャンピングアローの記事は書くつもりがなく、忘れていたのである。
Moving and Jumping Arrow / マジック
●いかがであったろうか。
●シンドウ氏の手順はパドル好きなら参考になったにちがいない。
●矢印を剥がして(取り外して)移動現象の起点に戻すようにしている。その後、行われる鈴木徹氏の技法を扱う絶妙さをそして、できればその差違をも味わってほしい。
●そして、ここまで不思議な矢印という印象をつけてからの後退、分裂、消失である。不思議な矢印がしているんだから、後退現象もさほど気にならないと思うのである。
●やはり、取り外してから登場したもとの位置に戻すところが秀逸。
単なる後退ではない。私には思いつかなかった。
●同じことを書いてしまうが、ここまで多段階に現象を見せられると矢印の後退、分裂ぐらいは当然、起きても問題はあるまい。
●最後は、最初の状態(矢印がない状態)に戻るのである。
●ジャンピングアロー自体がユニークなマジックである上に現象としてできることは全てやっている良手順なのである。
●どうしても、矢印の後退、分裂に違和感を覚える人は世界最小GPSという演出も良いかもしれない。ちなみにマジックカフェに載っていたアイデア。
●世界最小のGPSという設定ならば、順調に行っていたドライブなのに、不調になって後退、分裂、ブラックアウトという演出も可能だろう。
●ただ動画のように話さずに行えるマジックなのであることにも注目を。
●管見の範囲だが、アメイジングジャンピングアローの手順の中でベストである。