旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

《手造》アイスランド、黒い滝から氷河湖クルーズ~島の東部へ

2014-09-04 15:16:22 | アイスランド
溶岩平原の一軒家NUPARの朝

朝食の場所からきのうは見えていなかったヴァトナ氷河が見える


朝8時、少し早めに出発この広大な広がりは、有史以来何度も繰り返してきた氷河の底の噴火による。
1996年にヴァトナ氷河の下で起こった噴火により流れ出した土石流が破壊した橋が展示されているうしろに二つ、ともにヴァトナから流れ出している氷河が見えている。そのひとつへ向かう。道はこんなかんじ4WDの車でよかった
駐車場から歩き出してすぐ、遠くに見えていた氷河が圧倒的な迫力で迫ってくる。



**09:15 スカフタフェットルのビジターセンターに到着。氷河の水150クローネ(135円程度)、お土産にどうでしっ(笑)
ここからスヴァルティフォス=黒い滝まで歩く予定だったが、少人数で中型の4WDなので、ドライバーさんが上にある小さな駐車場まで行けるように交渉してくれた。これで往復一時間は時間がセーブできる。もちろん歩く距離も少なくて楽。

上の駐車場から歩き出すもう夏は終わった振り返る海へ続く平原も秋の色
二十分ほど歩くと、遠くにスヴァルティフォス=黒い滝が見えてきた。

玄武岩の柱状節理が陽に照らされて美しく影をつくっている。ほんの五分も下れば、滝のすぐ下にたどりつける。

晴れ過ぎず、絶好のハイキング日和だった。

***40分ほどでヨークルサアウルロン湖に到着氷河の先端が海まで到達した結果出来た湖で、ここは近年どんどん大きさを増している。
水陸両用車でここをクルーズするのだ救命胴衣を全員装着数十メートル走ると、いきなりざっぱーんと湖に入る。あたりは巨大な氷がいっぱい!

氷はその90%が水面下にあるから、ガードのボートが搬送し常に安全を確保してくれているさらに、氷のかけらを我々に手渡してくれる。ボートのガイドはフランス人のブルーノ君。日本語も勉強していて、あいさつ程度OKひらがなはちゃんと読めた。ジブリ大好きだというので、こんなところでアニメ談義してました(笑)

「この氷はおよそ八百年ぐらい前に出来たものです。食べてみますか?」 今まで食べたものの中で一番古いものにちがいない。

**約40分のクルーズを終えて、近くのモレーン(氷河がつくりだした土砂の丘)に登る


氷河湖から海への出口には大きすぎて出られない氷塊が集まっている。この湖は満潮の時には海の水もどんどん入ってくる

***
いよいよ小松も未踏のアイスランド東海岸へ。岩の雰囲気が変わる。アイスランドではより古い時代の岩で出来たこのあたりには火山の影響は少ない。目を見張るような豪快な崖から、少ない砂浜に直立する薄い緑色の石。車からみかけてあまりに美しい景色だったのでしばらく止めた。

アイスランドで望める最上の天気のひとつだと感じる

東部はフィヨルドの海岸線が続くが、そのうちのひとつ突き出したところにデュピーヴァゴー(カタカナにすることは本来不可能)の小さな町が突然あらわれたちいさいがとても幸せな雰囲気が伝わってくる漁業の町である。

:::そこから超絶の景色の峠越えをへて:::
東部アイスランドの中心的な町エイイルスタルジルに到着。人口は2500人ほど。
昨年まで全18室だったホテルは32室を増設※写真の左側の建物
新しいきれいなレセプションと室内すぐ裏には湖がある。

夕食はホテルのダイニングで、みんなお好きなものをアラカルト全部で14人だからこういう事も出来る。どの皿もとてもおいしかったが、このビートをローストしたものは特に印象に残った。

スキールというアイスランド特産のヨーグルト・チーズのブルーチーズ版がのせられて、ローストされている。それにハニーローストアーモンドのパリパリが食感になる。
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《手造》アイスランド~シンクヴェトリルから島の南東部へ

2014-09-03 15:10:28 | アイスランド
朝9時、晴れていたと思ったら突然雨が降ったり、アイスランドの天気はこういったもの。与えられた天気を楽しみましょう今日からアイスランドの南東部、そして北部のミーヴァトンまで訪れる五泊遠征。大型バスでは通れない道も行くので、こういう車にきてもらいました
レイキャヴィクを出て十五分ん。
首都に熱水を供給している地熱発電地帯ネーシャヴェトリルへ向かう道に入り、とたんに風景がかわった。道路にそって送水管がずっと続いている。突然、大型の車がたくさん集まっている「あれは映画を撮影しているんだよ」とドライバーさん
荒涼としたそれでいて燐と美しい。スコットランド北部と似た雰囲気がある

*シンクヴェトラ湖はアイスランドで最大の湖。湖面の高さ海抜103m。大きさはそれでも82平方キロメートルしかないが、深さは114mに達し、海面より低い。その水の多くは湧水で流れ込む川は小さなものが一本しかない。流れ出す川も一本だけ。その南東岸エリアが地熱地帯となっている。
地下二千メートルまでドリルして350℃の温度を利用し水を熱する。それをレイキャヴィクまで30キロほどパイプで送っていたのだ。

湖を右手に見ながら北岸まで進むと、そこが世界遺産にも指定されたシンクヴェトリル国立公園ここは、北アメリカプレートとユーラシアプレートが離れていくのが目で見える場所。下の写真で左が北アメリカプレートになると言われる。

豪快な岩壁がずっと続くのは壮観途中にアイスランド国旗が掲げられた場所がみえてくる。ここが世界遺産であるのは希な自然景観だけでなく、人類初の民主議会「アルシング」が西暦930年に開かれたことにもよっている。

・・・続く 取り急ぎ写真だけでも載せておきます!


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《手造の旅》アイスランド、到着とレイキャヴィク観光

2014-09-02 12:59:58 | アイスランド
出発一週間前ぐらいから新たな噴火の予兆が伝えられていたアイスランドだが、現地ではそんなことは日常茶飯事。実際に事が起こるまでは誰もあたふたしない。淡々とふつうに到着。

コペンハーゲンでアイスランド航空に乗継三時間、雲の厚い21時でもまだ明るい8月31日。真っ黒な溶岩台地が眼下に見えてきた。


翌朝、三時間のレイキャヴィク観光。市内ど真ん中のセンターホテルプラザだからすべて徒歩とした。バスに乗せられて見える街と自分の足で歩いて理解する街は全く違う。

ガイドさんのお名前はグズルン・グズナルスドッティル「グズナルの娘グズルン」という意味になる。アイスランド人の名前にはもともと姓がなく、こんな風に名付けられてきたそうだ。

●すぐ近くの国会議事堂

前に立つ人物は独立への最大の功労者とされるヨン・シグルートソン。彼の誕生日である6月17日が後に独立記念日とされた。

1881年に当時の支配国デンマークの領事の建物。上部に当時のデンマーク王クリスチャン9世の紋章が王冠と共に掲げられている。

現代国家としてのアイスランドは、第一次世界大戦後の1919年に憲法を認められ半独立。1944年に完全独立国となった。この時、デンマーク支配の象徴のようなこの印を取り外すかどうかの議論がされたが、結局はそのままにされた。

国の総人口32万人のうち6割以上がこの首都圏エリアに集中している。国会議員は63の定数、現在はうち38人が女性。1980年から96年まで、世界初の女性大統領に率いられた国でもある。
「でも、今の右派政権では閣僚は男性の方が多いのよ」と、不満そうなガイドさん。

下の建物はデンマーク時代に監獄として建設されたが、現在の大統領執務室になっていそうなここでも左に立つ人物はデンマークの王。※写真は夕方に撮影



このオブジェは「ある勤め人」という題名なのだそうです。
アイスランドの「勤め人」でもこんなに重圧を背負っている?

チョルトニン湖は海水と湧き水が混ざっている。美術館のようなこの建物は市役所。
ロビーは美術館の様にすっきりと美しく、役所という感じがしない。独立の最大の功労者といわれるヨン・シグルートソンの肖像もこんな風にあそばれている 巨大な3Dアイスランド模型も置かれていた

**
湖沿いを10分ほど歩くと、大学のそばにある国立博物館へ到着通常の観光では訪れない場所だが、前回2009年の《手造》の時に覗いてみて面白いとおもったので、今回はガイドさんをつけて行程に入れた。
この像は、北欧神話の雷神トールTHORほかにもオーディンとかいろんな名前で呼ばれるキリスト教以前の神だと推察されている。北部の農場のみつかったもの。

12世紀頃の織物がおもしろい昨年フランスのバイユーで見た「王妃マチルダのタピスリー」を思い出させるデザイン。同じバイキング系の文化がつくりだしたものだと感じる。

・・・他にもご紹介したい収蔵物は多々ありましたが、またあらためて。

***
レイキャヴィクのランドマークといえばこのハットリグリムス教会
ハットリグリムとは、17世紀アイスランドの詩人・牧師。※この人物についてはまた別のところに書きます。

だが、教会を背にして威風堂々と立つ人物は彼ではない。
レイフ・エイリクソンはコロンブスより五百年も前に、自分の意志でアメリカ大陸へ到達したとされるバイキング。

この像はなんと、アメリカ合衆国がそれを記念して贈ったものなのだそうだ。

内部はモダンなゴシック風にコペンハーゲンのグルントゥビー教会と印象が似ている。

高さ70mの塔に上るには700アイスランドクローネか5ユーロ

****
2011年に海沿に出来たHARPAというコンサートなどが行われる複合施設。午前中の観光でガイドさんが「夜きれいに光がうごくのよ」とお勧めされたので夕食後に行ってみた。

内部もおどろくほど美しかった。※また別に載せます

*****午後は
★いよいよ溶岩洞窟探検へ。
自分の体でアイスランドを実感できます!日本の観光地で見かける○○探検なんていうのとは比較にならないワイルドなオプションを敢行…続く
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2009アイスランド(第一部)

2014-06-08 14:15:03 | アイスランド
2014年8月31日発《手造の旅》アイスランド10日を催行する。企画動機は、2009年にはじめて行った時のアイスランドがあまりに素晴らしかったから。けしてお天気に恵まれた旅ではありませんでしたが、それでもこれだけの絶景なのです(^^)その時の雰囲気を感じていただけるように、ダイジェスト写真を紹介いたします。他の北欧諸国とはまたちがった絶景の数々、私見ですが北欧諸国でいちばん食事の美味しい国です。 
**
コペンハーゲンで乗り継いで、夕陽に輝く溶岩の島が雲間に見えてきた。


●ケリズ火口湖

「おお~」っと驚いてみていたら、ドライバーのヒャルティさんがニャッとして「こんなのはベイビーだぜ、もっとすごいのがある」と言った。あとで、それを見せてもらって驚愕することになった。

●グルトフォス

地溝帯に轟音を立てて流れ落ちる。落ち口のすぐそばまで行く事が出来る。柵は、ない。

●間欠泉、ゲイシール

きらきらしているのは、みんなが投げ込んだコイン。どこでもいっしょです(笑)

同じ間欠泉で有名なアメリカのイエローストーンを訪れて知ったのだが、観光客に都合よくいつ行っても噴出が見られる間欠泉はそうそう多くない。こんなのは希なのです。

●ギャウ~ユーラシアと北アメリカ、二つのプレートが分かれていって出来た台地の裂け目

今でも毎年二センチぐらい離れていっているのだとか。

●レイキャヴィクのホテル近くで食べた、ほくほく美味しいタラ

**
朝ごはんはこんな感じ
西部のスナイフェルスーネス半島、スティッキスホルトゥルムから出るクルーズ船に乗る。たくさんのカモメが巣をつくっている。保護の為、島へは上陸できない。船上で地引網をあげてくれると、そこにはたくさんのウニ、ヒトデ、そしてほたて!すぐに割って海の塩味だけで食べさせてくれる船で売っていたワインとあわせていただきます

何気ない風景がとても美しいアイスランド

夕食はホブンエビ。ホブンはアイスランド東部の港の名前

見た通りのぷりっぷりです(^^)

***
レイキャヴィクから東へ向かうと、すぐに溶岩台地がひろがっている。向こうにみえてくる白い水蒸気は地熱発電所だという 「ちょっと見学していくかい?」ドライバーのヒャルティさんが軽く言うので「ぜひぜひ!」とオネガイした。予定表になくてもこんな風に出来るのが《手造の旅》の良いところ。昼食を予約してたりするツアーだとこういう自由はきかないのです。

レセプションで頼むと簡単にOKしてくれて、15分ほど簡単な説明と共に内部を案内してくれた。驚いたのは使われていたのが日本製の機械だったこと。その交流の記念に兜がかざってあった※冒頭の写真

世界のプレート地図。大西洋の真ん中の線上にあるアイスランド。ユーラシアプレートの端に位置ずる日本列島。日本は潜在的に地熱発電に適した国であると言われているのだが、普及してこないのはなぜなのだろう。


昼食は滝のそばでピクニック アイスランドの伝統的な家はこんなふうに半分地下のようにつくられている内部に入ると、屋根と壁が芝生を積み重ねたようになっているが分かる。


この滝は上流に発電所になっているダムがあり、その水門によって水量がなくなって存在しなくなったりするのだと、ヒョルティさんが教えてくれた。

★★超絶の火口湖★★
ドライバーのヒョルティさんは、元レンジャーだったからか、観光ガイドに全く載っていない火口湖まで知っていた。今回、四輪駆動だからあがっていけたのだが、それは前出のケリズ火口湖が「ベビー」に見えるスケールだった!

カーテン状の霧雨が、強風にのって襲ってくる。怖くはあるが覗きこまずにはいられないスケールに圧倒される。


★ランドマンアロイガルの川湯温泉

いくつも出現する浅い川を越えてたどりついた

今晩はアイスランド最南端のデルホラエイのホテルに泊まるホテルのダイニングで食事をしたのは21時ぐらいだったが、まだまだ明るい8月である。


・・・第二部へ続く

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