3月19日は「ヴァレンシアの火祭」最終日。まず火祭の人形がおさめられた博物館へ
火祭の人形=ファジャ(ファリャ)は、すべて燃やされてしまうのが基本。
だが、人気投票でいちばんになったものだけは燃やされずここに収蔵される。
一番古いものは1930年代から。
初期の人形はこんな風に木組みの枠に本物の服を着せ、顔や手だけを蝋でつくったものだった
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スペイン内戦1936-9の間だけは開催されなかったが、
それ以外はヨーロッパが第二次大戦真っ最中だった時期も行われていた。
●1934ピーナッツに偽装して煙草を売る↓
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共和政下で世界的経済混乱の時代を反映している。
●火祭りの献花行列に行く女の子が↓ゲームに夢中の男の子を引っ張っている↓
これも違った意味で時代を反映している。
●「日本人の家族」と題している1991年のものだけれど・・・
●フランス人海洋学者ジャック・クストーが亡くなった翌年1998年の作品が印象的だった↓
人形の材質はどんどん改善され、燃えやすく・軽く・加工しやすいポリエステル・発泡スチロールへがつかわれるようになっていった。年に一度のこのお祭りに、ヴァレンシアの人はお金も時間も人も惜しみなく使う。燃やされてしまうだろう人形「ファジャ(ファリャ)」をつくるのにも、ちゃんとプロの職人が起用されるようになっていった。ヴァレンシア独自の職業「ファジェッロ」が成立している。
下の一覧表は毎年の「一番」をまとめたもの↓
左には製作者の名前とその人が「一番」を取った年号。
右はそれをスポンサーした地区組織の名前↓
ここには歴代の「ファジャの女王」の肖像画も飾られている↓
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すぐ近くの科学センターへ。
ここはヴァレンシア出身の建築家カラトラーバの設計↓
ヴァレンシアのソフト・ドリンクとして知られる「オルチャータ」を売っていた
原料は写真にも写っているチュファと呼ばれる植物の根っこ。
ほんのり甘い漢方薬といった風味。
甘味を足してうるのだろう、とっても甘い。
パンをひたして食べたりする。
*****一般乗り合いバスで市内へ移動。
街角に立つ巨大な人形「ファジャ」を見て歩く。
これらが今晩にはすべて燃やされてしまうのか。
すごい人波でファジャの写真もまともに撮れない、と思ったら、入場料を払って近くへ入る事ができる。今年一等賞をとったファジャへはなんと5ユーロ! あまりに高いので、二番人気の1ユーロのところへ入りました。
でも、これもきっと値下げしてます
そばで見上げると迫力もあるし精巧にできているのが分かる
イルミネーションもこんな
夜にはこんなになる
屋台というのはあまりに本格的なお肉を焼いている店
パエリアやらなんやらも
★このお祭りの主役は、大聖堂におわしますマリヤ様。
堂の内部にあるホンモノ↓
ちらっとだけ見えました。
これを拡大して広場に出現している巨像
献花行列はこのマリヤ様に花を捧げて目的を終えるのだ 大聖堂のいちばん大事な宝物は、キリストが最後の晩餐で使ったとされる聖なる杯⇒ ヴァレンシアに来たからには、お祭りだけでなく、その本来の中心である大聖堂だけはしっかり見ておきたい。
******午後二時、市庁舎前の広場で巨大な爆竹の催し「マスクレタ」がある。詰めかけた人々で立錐の余地もない。直前に雨がぱらつきだす。小柄な日本人には身の危険を感じるほどぎゅうぎゅうの状態。爆竹の炸裂は見えなくても、強烈な音と地響きが伝わってきた
人出と天候で、テレビで見ているのを選ぶものあり 市庁舎前にいちばん大きな人形が設置されていて、これが最後に点火される⇒ 夜中の一時のこと。
それ以前の12時ごろに市内各所の巨大ファジャに点火される。消防自動車のご臨席をたまわってでないと点火できないので、どの人形が正確に何時に点火されるのかは分からない。 下の写真は四年前のもの↓