旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ルーブル美術館でいちばん美しい手~大人のおもちゃ箱

2012-01-18 08:24:58 | フランス
360度どこから見てもバランスのとれた造形感覚と、それぞれの細部にまで細心の注意を払ってつくられていったことが伝わってくる。
特に手相までが読み取れるその手のひらの美しさには目を吸い寄せられる。
モノクロ写真にするとより際立って感じられないだろうか。


正面からの手と視線。なんだかこちらへ向けてオーラを発射しているような雰囲気。


この二体は、もともと置かれていた(たぶん)教会にあっても、対になっていたのであろう。ばらばらに売り払われてしまったりしなくて、聖女の視線の先にあったものが失われてしまわなくて、本当に良かった。


八百年ほども前、
この女性像を作るのにモデルはあったのだろうか?
あまりに美しい造形のその人に、職人は憧れや羨望や、そして恋などしていなかっただろうか。
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深き緑を泳ぐ魚~ルーブル美術館・大人のおもちゃ箱

2012-01-06 09:11:05 | フランス
通常のパリ観光で行くルーブル美術館で見学するのは、「モナ・リサ」「ミロのヴィーナス」「ナポレオンの戴冠」。もちろんこれら定番も見るべきものだけれど、この大百科事典のような美術館には、ほかにいくらでも楽しめるものがごろごろしている。たとえて言うなら、『大人のおもちゃ箱』である。小松が独断で引っ張り出してお見せします。

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ルーブル美術館が所蔵する古代(紀元後一世紀)のパテナ(この場合礼拝時に使用する平皿を意味する)。 周囲が金と貴石で装飾されたのは10世紀になってから。古代の部分、緑色の蛇紋岩とそこにはめ込まれた金の魚は、荘厳というよりシンプルでかつユーモアを感じさせる。

だいぶ以前の「芸術新潮」で紹介されて知った後、気に入って何度も見に来ていた。しかし、今日ご一緒した方はそれまでとちょっと違った目を持っていて、ひと目見るなりこう言われた。

「緑の海を泳いでいるんですね」

なぁるほどぉ~、そう言われてから見ると、石の緑色が深い水に感じられてきた。何度も見ていたのに私はそういう見方をしたことは一度もなかった。あるいは、これを造った職人はそんな風に見えることも意識していたのかもしれない。
「知っている」ことと「感じられる力」は違う事なのだ。とても感銘をうけました。



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