計画から約1年越しで、やっとCDプレーヤー REVOX B226のDAC IC交換が出来ました。
私は、近年のCDPやDACの音がどうもデジタル臭くて好きになれず、ずっとマルチビット型のDACを搭載したB226を使ってきましたが、分解能ではどうしても近年のES9018、9038には劣ります。
そこでこのマルチビットDACを、ラダーの精度を上げた(選別した)DAC ICに換装する計画を持ち続けていました。
このB226に搭載されているDAC ICは、かの有名なPhillipsのTDA1541です。
精度を上げた選別品には、TDA1541A-S1、R1、それぞれにSingle Crown、Double Crown品などの種類がありますが、R1、Double Crown(台湾製?)は偽物も有ったりで胡散臭く、リスクは負いたくないので、S1のSingle Crownに換装しようと計画を持っていました。
それぞれの精度の違いはDataSheetにも明確に記載されています。
精度を上げるには、その当時トリミングといった技術や設備は無いので、ひたすら測定して選別するしかありません。 S1は選別品で、その中でも更に精度が良い物にSingle Crownの刻印が与えられています。それだけに希少なのです。
では、このICをどうやって手に入れたかですが、IC自体は古く当然廃版品なので単品での入手は困難を極め、オークションでも、滅多にお目にかかる事がなく、出品されても相当な値段が付けられています。また本物かどうかの不安もあります。
そこで、目的のICを搭載したジャンク品を市場で探しました。しかも純正のPhilipsかMarantz、あるいは国産の製品に搭載された物。
それでも、考える事は皆同じで、このDAC ICを搭載したCDプレーヤーはオークションでもあっという間に値が跳ね上がってしまうので、私は、あまり人気のない機種で、このICを搭載した製品を調査し、ジャンク品に巡り合える日をずっと待ち続けていました。兎に角、目的のDAC ICさえ手に入れば良いので、そのほかの部分はどうでも良いのです。
そして、やっと手に入れる事が出来ました。メーカー、機種名は、あえて伏せておきます。
機器本体を分解して基板を取り出しました。重量級の本体なので苦労しました。
目的のDAC ICが載った部分です。間違いなくTDA1541A-S1(Single Crown)でした。見込み通りでひと安心。
片面基板なので、「シュッ太郎」で割と簡単に取り外す事が出来ました。
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TDA1541 → TDA151Aに交換するときに気を付けないといけないのが、TDA1541Aはpin16~pin17のOSC用コンデンサが外付けで必要という事です。ICと一緒に取り外しました。
この取り出したコンデンサは680pFでした。Data Sheet上では470pFとなっているのですが、あれ?
この部分について、少し調べてみました。時々参考にしているこのサイト「diyAudio」。
この容量値によっても音質が違う様です。
B226の基板を見ると、すでに470pFが実装されていたので、一旦そのまま使いました。
DAC ICはソケットで実装されていましたので、そのまま挿し換えました。簡単!
ソケットの意味は、B226EがTDA1541A S1(Single Crown)仕様なので挿し換えるためと思います。
電源投入し、CDを再生してみると、音が出た瞬間、ナント、こんなに違うんだ!!!と驚きでした。
音抜けも良くキレ良く鳴り、分解能がアップし音の粒立ちがはっきりしています。周波数レンジも広がったと思います。
はやる気持ちを抑えて待ち続けた甲斐が有りました。
夏休みの宿題が出来た感覚です。
これでレコードばかりでなく、またCDを聴いてみようかなと言う気にもなりました。
ここまで出来たら、次は最終目標の「DEMリクロック」に挑戦しようと思います。