前回は部品の交換でしたが、今回はちょっと回路を弄ってみます。
先日書きました通り、初段の差動増幅回路に定電流源を追加してみます。目論見では歪が少なくなる筈。
(オリジナルの回路)
(変更後の回路)
抵抗の値を変更していますが、これは抵抗値が全く同じものがDALEには無い(DALEは値の刻みが細かいので大体そうなる)ので近似値を使いました。
他には、位相補正用のCRのCを470pFに小さくしています。少しでも高域を稼ぐため。
定電流回路のFETには、部品箱で見つけた2SK170GRを使いました。
これは、その昔にある製品を2SK170⇒2SK30Aへ換装した時の残骸と思います。
定電流源は、データシートによると、この状態(G-Sショート)で2.6~6.5mA位になる筈。
改造作業が終了した状態。汚くてちょっと見苦しい。
改造後の電流測定。
上側についている抵抗2.67kΩの両端の電圧を測定。
まずは、Lチャンネル:3.16V/2.67kΩ=1.16mA 。 これ片側なので合算で2.32mA。
同様に、Rチャンネル:2.441V/2.67kΩ=0.914mA。 合算で1.828mA。
あれ~? データシート通りにならない。
IDSSはバラつきが大きいとは分っているのだが、それにしても、、、規格外。
そう言えば、この2SK170GRは中華製製品から外したものなので、偽物の疑いも?
2SK170や2SK30Aは定番なので偽物も多いとの噂有り。
取り敢えず、使えない訳ではないし、扱う信号も小さいので、この位のアイドル電流でも大丈夫かな。
音出しをしてみます。
音は、確かに細かい音まで聴こえる様になり、見通しも良くなりました。歪が減ったのでしょう。
何かのついでがあれば、本物の2SK170GR(生産終了)や、CRDを購入して試してみたい。
CRDもバラつきが大きいので多めに購入が必要でしょう。
そうそう、前回の投稿で紹介を忘れていましたが、部品交換で半田を吸い取るには、この道具が役立ちます。
少しの部品交換であれば「半田吸い取り線」でも良いですが、沢山の部品交換する時は、これが便利です。
私は、ずっと愛用していて、とても重宝しています。お薦めです。
それにしても、カセットデッキをここまで弄る人はそんなに居ないでしょうね。
人のやらない事をやる、だから面白い。