ティアックのカセットデッキ V-5010は、6年くらい前に修理した後、一応動作して音が出る様になっていたのですが、残念ながら完璧ではなかった。
メカが時々不可解な動作をする事があったり、音質に関しても更に改善できるのではと思い、再度修理する事にしました。
過去の修理歴は、画面左サイドの「カテゴリー/カセットデッキ」タブより。
記事が長くなるので、メカ系と回路系(音質改良)に分けて投稿します。
今回はメカ系について。
時々動作不具合と言うのは、再生スタート時に、「ヘッドベースが完全に上がり切らずに、途中で止まる事があり、テープがぞろぞろと送り出される」といった症状でした。巻き取っていないのですね。
そこで、再度メカを取り出しました。
結果から言えば、ヘッドベースが途中で止まる原因は、右側にあるカムで動作するスイッチ3個(写真の①)の接点不良でした。
キムワイプにエタノールを浸み込ませスイッチに挟み清掃しました。やはり接点が黒く汚れていました。
これで動作不具合が解消しました。下の写真はスイッチをシャーシから取り外しています。
因みに、反対側のテープポジション検出用スイッチはケースに入っているので大丈夫の様でした。
この際と思い、他の部分もメンテナンスしました。
以下、写真内の番号と項目番号は合わせてます。
①は先ほどのヘッドベースの状態検出スイッチの箇所です。
②ヘッドベースのグリスアップ
ヘッドベースとメカベースの間のグリスアップを行いました。
古い黒くなったグリスを除去して、新しいグリスを塗布。
動作がスムーズになり、機械的な動作音も小さくなりました。気持ち良い動作。
グリスは、タミヤの「Fグリス(フッ素樹脂配合)」を使いました。
③キャプスタンの研磨
元々は、スリップ防止目的で数ミクロンオーダーのエッチング処理が施して有る様ですが、テープ裏面の磁性体にダメージを与えそうなので、紙やすり#2000で研磨後、研磨フィルム#6000で鏡面仕上げ。
④ピンチローラーの研磨
ここも紙やすり#2000で研磨してゴム質を復元しました。
⑤ヘッドの研磨
音質向上には、ここが一番効果がありました。
研磨フィルム#6000で研磨後、同#10000で鏡面仕上げ。
平面を出す必要があるので、板状の消しゴムに研磨フィルム(ピンク)を巻き付けて磨きました。
MONOの消しゴムでも良いと思います。
こんなに音質が変化するとは驚きでした!。
アルコールで拭くだけでは、経年でこびり付いた汚れは取れないですね。
テープとヘッドは密着させる事が重要!!!。接触面が荒れていてはダメですね。
鏡面仕上げで、こんなに綺麗になりました。光沢があります。
ヤスリ関係はこちら。
再組み上げ。
カセットホルダーの右側のスプリングは、無くしてしまったので、クリップで手作りしました(銀色)。
なんとか上手く出来ました。これでイジェクト時にホルダーが気持ち良く開く様になりました。
これでメカ系はほぼ完璧と思うので、次は回路系です。
次回投稿まで暫くお待ちください。