「白い人・黄色い人」がタイトルかと思ったが
「白い人」「黄色い人」は分かれており
行ってみれば短編集みたいなものだった。
この2作のうち前者の「白い人」で
遠藤周作は芥川賞を受賞し
作家としてデビューするに至る。
多くの芥川賞がそうであるように
これがまたしっかり難解(笑)。
醜い者の歪んだ奥底にある淀み
と
そのさらに奥にある
承認願望というか
救われるべきという
神に対するややもすると挑戦的な欲望。
後期の作品と比べるとあまりにもストレートな疑問符が並び
一貫して
キリスト教と日本人
がテーマなのだけれど
この作品は
それだけでは尽きない
もっと後ろめたい暗さを感じるなぁ。