もう15年も前の映画なのだなぁ。
当時大人気のオダギリジョーと香川照之
脇役にも新井浩史、真木よう子と
地味だけど確実に面白いであろう
盤石の布陣。
の監督自身が書き下ろしで文字に起こしたもの。
本谷有紀子といい
天に2物も3物も与えられた人がいるものだなぁ。
なんともいえない
心の片隅に蔓延る澱。
のようなものを実にうまく表現している。
特に智恵子の現状と夢とのずれ、
自分と周囲とのずれ、
それを表現することも
表現する場所さえもないもどかしさ。
身の丈に合わせた生活というものを
頼んでもないのに周りにお膳立てされている。
それも当人のためを思ってではなく
周囲の安定のために用意された
役割というべきもので。
端から落ちなくても
どこかでおちる人生ではなかったかと思う。
独白をいくつも重ねた
現代の『藪の中』。