僕の前世はたぶんオランダ人。

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ヒル地獄(丹沢主脈縦走)

2022年07月17日 | ぶらぶらする
健脚者向けとされる
日帰り丹沢主脈縦走に挑戦。
焼山をとばすので完全縦走ではないけどね。
本日の行程は東野バス停398mから
蛭が岳1973m、丹沢山1567m、
塔ノ岳1491mを経て
大倉バス停289mへ下山。
11時間10分の丹沢主脈ロングトレイル。
けっこうな土砂降りの橋本駅から
6時20分発の三ケ木行のバスで出発。
なかなかの雨だなぁ。
三ケ木でバスを乗り継いで
東野バス停着7時35分。
加藤商店がいい味だしているが
基本的には何もないバス停・・・。
映画にでてきそうな
味のある校舎。
長友候補は票が集まらず
猛省中のご様子。
8時林道ゲート。
バス停で降りた時から一人だったので
この日は一人旅が確定。
8時5分。
車はここまで
横の駐車スペースはいい感じに満車。
ピストンの方々かしら。
雨上がりの林道をとぼとぼあるくこと40分。
登山道入り口へ到着。
8時50分。
最後のコンクリート路へ到着。
!!!
ここでようやく
両足にビッチリと張り付く
蛭の大群に気が付き大パニック!
地元のコンビニで念のために購入しておいた瓶入りアジシオが
早くも大活躍!
こいつらは足を停めた隙をついて
足元から登ってくるとばかり思っていたが
ここまで一度も足は止めていない。
どうやら行動中でも
お構いなしに這い上がってくるらしい。
まさかのためのアジシオだったのに
光の速さで使うことになるとは夢にも思わなかった・・・。
ここから先は纏わりつく
地獄の亡者の上を必死に歩む修行僧の気持ちになり
とにかく陰惨な気持ちで足を進める。
1分ごとに足の周りをチェックして
半狂乱でアジシオを振りかけて
もう登山のそれどころではない。
茶色い物体は全てヒルに見えてくるしまつ。
9時45分、丹沢主脈尾根まで0.5kmポイント。
蛭でノイローゼになりそうであったが
水を離れるととたんに蛭は姿をけす。
全く地獄絵図であったと心の底から思う。
ベトナムを進むアメリカ海兵隊の気持ちとは
かくあったのではないかと本気でそう思う。
ここまでくれは蛭はもうでない。
精神的に落ち着きを取り戻す。
10時青根分岐で尾根に出る。
本当は釜立沢を上らず
直接八丁坂ノ頭に出たかったのだが
分岐がわからず失敗してしまった。
モヤの立ち込める尾根歩きスタート。
10時20分
八丁坂ノ頭。
ここから丹沢らしく木道が増える。
10時40分。
東海自然歩道最高標高地点。
1433m。
なにがありがたいのか
よくわからない。
ベンチはあるが
ずぶ濡れのためスルー。
10時45分姫次。
晴れていれば景色がよいのだそう。
袖平山まで0.6kmとあるので
30分くらいで往復できそうだが
雲に覆われており
こちらも遠慮しておく。
ベンチがあって晴れていれば絶好の休憩ポイント。
ガサゴソと暗い登山道へダイブ。
先を急ごう。
11時5分。
原小屋平。
地図上では水場アリとかいてるが
わからなかった。
水があるならビバークには最適だな!
11時15分地蔵平。
パッとしない尾根道が続く。
地蔵平でシカよけフェンスに突き当たり
道は90度曲がる。
相変わらずのブナ林が続く。
倒木も苔にまみれる。
鹿よけフェンスにそって尾根道を上がる。
一時的に視界が開けるも
以前として雲が厚い・・・。
11時半残り1.5km地点。
あと1時間といったところか。
ブナ林の木道をひたすら進む。
神奈川最高の頂きまでの道程も
いよいよ佳境。
ここがうわさの『蛭が岳0.4kmポイント』
どこまでいっても
蛭が岳0.4kmポイントが続き
スタートレックの世界に迷い込んだかと思った。
とはいえ4つ目の0.4kmポイントをすぎれば
頂きはすぐそこ!
12時20分蛭が岳0.2kmポイント。
足元遥か彼方にかすむ丹沢湖。
12時30分蛭が岳1673m登頂!
丹沢最高峰の道標が迎えてくれるが
丹沢最高峰どころか神奈川最高峰。

ここまで一度も腰を下ろさず上ってきたご褒美は
蛭が岳山荘名物のヒルカレー!
もちろんヒルが入ってるわけではないのご安心を笑。
といってはみたものの
万に一つ、茶色いカレーに紛れていてもわかることはない。
と要らない妄想に手を出してしまうほど
あいつらは本当に悪夢だった。
甘くて辛い濃い口カレーで
おいしく頂いた。
12時50分。
丹沢山への稜線歩きスタート。
晴れていれば西丹沢を従えた富士山を眺めながら
素晴らしい散歩コースのはずなのだけれど
右手にギリギリ丹沢湖が見える程度に
ガスは晴れてきた。
ここから先は稜線伝いに
鬼が岩と不動の峰の2大ピークを越えて
3つ目のピークが丹沢山となる予定。
まずは第1のピーク
鬼が岩を目指してガシガシ上る。
途中崩落もあったりで
土の山丹沢は脆くできていることを痛感。
稜線歩きで余裕ができて
ちょっと足元に目をやったりなんかする。
13時30分棚沢の頭。
この辺りピークも多いけど
しっかり巻道になっており
快適に歩くことができる。
さぁ、次は不動の峰を目指してさらなる急登を行く。
13時40分不動の峰。
遠くから見ると眺望がよさそうなのに
いざ登っちまうとトラバースで
景色はよくない素通りポイント。

13時50分不動の峰休憩所。
東屋仕立ての休憩所で
向かい側に水場もあるはずなんだけど
よくわからなかった。
こちらもよいビバークポイント。
さてもう少しだけ頑張って
霧の中を進みましょう。
14時つるべ落としの坂を上る。
うっすらと丹沢山のてっぺんも見えるが
まだまだ本調子には程遠い。
右に見えるのは
金冷やしからの鍋割山かな。
崩落斜面を左から巻いて
平すら木道を進むのか。
ふむふむ。
コツコツ上って
14時30分みやま山荘!
丹沢山1567m登頂!
富士山はやはり見えずか。
けどここまできたら
完走は確定!

4時間後には大倉バス停だぜ!
眺望のない山頂で休んでも仕方ないので
竜ケ馬場を目指す。
丹沢名物キャットタワー。
14時50分竜ケ馬場。
本日2度目の休憩。
丹沢山は
宮ケ瀬ガムから登っても
東野から登っても
大倉から登っても
アプローチが長いので
ついつい丹沢山・塔ノ岳の稜線歩きを軽視しがちなんだけど
ちゃっかり片道90分くらいかかるんだよな。
塔ノ岳が見えてきた。
塔ノ岳へのこの木道エリアが
本日最後の登り道!
15時40分塔ノ岳1491m登頂!
案の定何も見えない・・・。
がここまできたら大倉についたも同然。
10分間だけ最後の休憩をとって
ペットボトルの水量調整で
余計なウエイトをなくして
15時50分下山開始。
なにも見えない塔ノ岳は全く面白みがないな・・・。
16時金冷シ。
この時間ともなると
登りはゼロで
トレイルランの兄さん方が
猛スピードで下山していくのみ。
馬の背からの振り返りも
樹氷の時期と大違い。
↑ちなみに1月末だとこんな感じ。
花立山荘の富士山ポイント。
もちろん本日の富士山はお休み。
ひたすら下りを急ぐ。
16時30分。天神尾根分岐。
いずれ戸沢に下ってみよう。
林道が嫌というほど長いらしいが。
高度を下げると徐々に
霧が晴れて視界がクリアに。
17時駒止茶屋。
17時20分一本松。
しかし季節で全く雰囲気が違うものだな。
17時40分大展望分岐。
ついに大展望が復活したらしい!
なんだかよくわからんけど陽気な植物。
ヒグラシの大合唱の中をすすむ。
なぜかいつも下山すると晴れる不思議な丹沢。
この日も山中の霧が嘘のようにはれ
ヤビツ峠・大山・三の塔が奇麗に見える。
18時秦野水源。
おいしい水を飽きるまで頂く。
下山後は大きなヤマユリがお出迎え。
18時10分下山完了!
バス停までの歩き。
嘘みたいに晴れ渡る。
大倉バス停では
スパッツの中のヒルに大騒ぎするする人もいて
鍋割から大倉への沢沿いにも
やつらはウジャウジャいるようす。
結局靴を脱いだらソックスが血まみれになっており
両足で5-8匹くらいは侵入を許してしまったもよう。
この後数日は茶色いごみを見るだけで
心臓が止まりそうになるくらい
ヒルの恐怖が染みついてしまい
もうしばらくこの時期に沢を歩くのは控えようと
硬く決意した次第。
実際の被害は大したことないのだけれど
地獄の亡者のようなあの蠢きと
視覚的な血まみれのインパクトは
トラウマになるなというのがほんと無理。
健脚者の仲間入りができたので
次は主稜縦走に挑戦だなー。