熊本熊的日常

日常生活についての雑記

谷中を散歩

2009年05月31日 | Weblog
午前中、子供と一緒に谷中を歩いた。日暮里駅を降り、御殿坂を登って、まずは経王寺へ。この寺の門には上野戦争の時、官軍が撃った銃弾の跡が残っている。そんな話をしながら寺を後にして、夕焼けだんだんを降り翠屋を覗く。多くの客がいるが、一点一点手作りなのでそれなりの味わいがあって眺めていて飽きない。気軽に買うことのできる値段ではないので、欲しいと思うものがあっても、今日のところは眺めるだけ。ここではミニマリズム生活を貫徹させる。

谷中ぎんざは日曜の所為で閉店しているところが多い。ざっと往復して、初音のみちへ。朝倉彫塑館は工事中でしばらく休館。どのような姿で再度開館するのか楽しみだ。この通りにはぽつんぽつんと面白そうな店がある。さんだら工芸も一度ゆっくりと覗いてみたいが、今日は日曜なので休み。

店の名前は知らないが、以前から気になっていた陶器の店に入ってみる。その店のオーナーの趣味でまとめられているのだろう。おそらく特定の作家の作品を中心に品揃えがなされている。店の構えと商品とが調和していて居心地が良い。店の隅にあるテーブルで店の人と馴染みの客らしいひととが話をしている会話も心地よく響いている。

赤塚べっこうのショーウィンドーを覗き、わががまやの絵はがきを眺める。わががまやは週末だけの営業なので、その存在は以前から知っていたが商品の絵はがきを目にするのは今日が初めてである。一枚一枚丁寧に描かれていて、絵はがきとして使ってしまうのが惜しいほどだが、それほどのものだからこそ、とっておきの相手には、こういう絵はがきで近況を知らせてみたいとも思う。かなり以前のことだが、東京出身で京都在住のメル友がいた。その人は美大出身で、何度か絵手紙をいただいたことがある。絵を描くのは久しぶりだと言いながら様々な手法を試しておられて、見ていて楽しかった。もう10年以上も前のことなのに、ふとそんなことを思い出した。

詩仙香房では、そのうち買い物をするようになるのかもしれない。茶を習い始めたので、香もいつかは勉強しなければならなくなるのだろう。今は香のことは全く何も知らない。

ぎゃらりぃ81のファサードを前にして子供と話をしていたらオーナーさんが偶然店の外へ出てこられたところに遭遇した。ご挨拶をして子供を紹介する。今は江戸小紋展の開催中で、普段とは違って店内には反物が並んでいる。和服など縁が無いのだが、決して興味が無いわけではない。ただ、たとえどれほど気に入ったものがあったとしても、今は買うことのできる家計の状況ではない。オーナーさんと出くわさなければ、ファサードだけを眺めて通りすぎるつもりだったのだが、そんなわけで店内にもお邪魔する。月に一回、ここの2階の茶室でお茶を習っている。

芸術のみちを抜けて旧吉田屋本店へ。言問通りと並走する裏通りをショウゾウ・イナムラへ。行列が無ければモンブランでも買って帰ろうかと思ったが、並んでいる人がいたので、そのまま寛永寺へ。境内を抜けて、鴬谷から山手線に乗って住処へ戻る。

蕎麦を茹で、昆布と鰹節と椎茸と玉葱と鶏肉と醤油とみりんでそばつゆを作って2人で食べる。それから枝雀のDVDを観たり、前週の写真教室で撮影してきた写真を観たりして過ごし、子供を家へ送る。なんとなく月の最後の休日に子供と会うようになっているので、駅で子供と別れると、今月も終わりだなと思う