万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

”ばらまき公約”は選挙に勝つ秘訣?

2008年01月12日 19時52分13秒 | アメリカ
クリントン候補 12兆円景気刺激策 財源確保に触れず(産経新聞) - goo ニュース

 何れの国でも、立候補者は、集票戦略として”ばらまき公約”を選挙で掲げるものです。はっきり見えない政策ではなく、目に見える形で利益供与が示されるわけですから、有権者は、ついつい損得勘定から”ばらまき政策”に引きつけられてしまうのです。

 しかしながら、こうした政策が、長期的に見て、国民の利益に叶っているかどうかは、疑問なところです。朝三暮四と揶揄されますように、その負担は、やがて国民に重くのしかかってくるからです。政治家さんは、自らの懐が痛むわけではありませんので、いくらでも大風呂敷を広げることができます。しかも、国民の負担である増税は、選挙で当選した後で実施すればよいのですから。

 選挙に際して”ばらまき公約”が掲げられる場合、国民は、慎重に短期的な利得と長期的負担を吟味する必要がありましょう。そうして、それは、財政の悪化が国にもたらすマイナス面について考える機会ともなるのです。

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