風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「亀山城・多門櫓のサクラを描く」

2016-04-09 09:03:42 | アート・文化

     

所用で三重県亀山市に出かけ、立ち寄った亀山城のサクラを描きました。数奇な歴史を秘めた地方の城の春には、前回描いた華やかな名古屋城とは違う懐かしい趣を感じます。


亀山城(伊勢亀山城)は広重の浮世絵・東海道五十三次に描かれた「亀山雪晴」で知られていますが、古くから交通の要衝にあるため何度か戦場になって藩主が交代、上洛する徳川家康らの休泊所になったこともありました。
江戸初期には幕府から伝達された丹波亀山城(京都府)の天守解体指示が、間違って伊勢亀山城に対するものとされ、天守解体の憂き目にもあったそうです。

明治政府の廃城令でほとんどが取り壊され、石垣などとともに残った多門櫓が全国に現存する数少ない多門櫓のひとつとして、三重県の史跡に指定。台風や2007年の三重県中部地震で一部が崩落するなどしましたが修復され、その際に板壁が江戸時代のように漆喰壁になりました。

この地方のサクラも赤みが増し、平野部のほとんどは「散り始め」や「落下盛ん」の状態に。急いで絵にしなければと、6号サイズで一気に描きあげました。