風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「東山動物園の仲間たち=居場所を巡るカリフォルニアアシカの争い」

2016-04-24 15:56:53 | 日記・エッセイ・コラム

          

動物園を訪ねて、テレビで紹介されるような動物同士が縄張りやメスを巡る激しい争いは見たことはありません。飢える心配はないし、複数の群れをつくる環境でもないので当然ですが、ときおり小競り合いや威嚇を目にすることはあります。

描いた絵はアシカ池での威嚇の場面です。
アシカの池では、しばしば存在感を示すようなオスの大きな鳴き声が響きますが、オスとは違った甲高い声が突然聞こえました。
泳いでいた一頭が水から顔を出し、池中央の岩場に空いた穴に近づいた時でした。

「キエーッ」。
大声と同時に、穴の中から声の主が顔を出し、2度、3度と怒りの声を続けました。「ここは私の穴よ。近づかないでよ」。安眠を妨げられたせいもあるでしょう。えらい剣幕です。

近づいた方は、上半身を大きく左右に振って応じていましたが、再び水中に戻って泳ぎ去りました。

穴からのぞいた顔だけに日差しが当たり、激しい剣幕ぶりが面白くて描きました。