風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「名古屋市内の小中学校の先生たちのアート作品を見てきました」

2017-01-26 21:37:52 | アート・文化

「すごい。小中学校時代の受け持ちの先生も、僕たちが知らないところで、こんな素晴らしい特技を持っていたのかもしれないな」
名古屋市博物館(瑞穂区瑞穂通)で29日まで開催している、第61回名古屋市教員美術展の感想です。

市内の小中学校の先生が、休日などの余暇に創作している作品を持ち寄った展覧会。図画工作を担当している先生だけでなく、趣味として楽しんでいる先生が多いようです。
カルチャーセンターの生徒仲間や公募展会場などで「元先生」の作品を見て「我々のような未経験者とは違う」と思ったりしますが、現役の先生自身の作品はどうだろう、というのが訪れた動機でした。

展示会場に並んだ作品は絵画、彫刻を中心に53点。風景、静物、ペット、漫画などさまざまですが、作品の丁寧な仕上げからは先生の優しい気持ちが感じられます。それに、他の作品展などで感じる「競い」の匂いがしないことにも好感が持てました。

 





楽書き雑記「白で描かれた街・モンマルトル=名古屋・松坂屋美術館のユトリロ回顧展へ」

2017-01-26 07:28:44 | アート・文化

名古屋の松坂屋美術館で開かれている「ユトリロ回顧展」に、絵仲間たちと出かけてきました。
「白い時代」とか「白の画家」と呼ばれるユトリロの作品から白をいかに表現したかを学びたかったのと、時代が違うとはいえパリ旅行での思い出が深いモンマルトルの風景画を楽しみたかったからです。展覧会は220日まで。

10歳のころから飲酒を始め、アルコール依存症の人生でもあったモーリス・ユトリロ(18831955)。画家だった母親が、医者の勧めで治療の一環として絵筆を持たせたところ才能が開花しました。
都市や川辺などの風景画で知られるシスレーらに昏倒していたようですが、ほぼ独学で絵筆を取り、生まれ育ったモンマルトルの風景を、酒浸りの中で次々に白を基調に描いて発表。多くの画家たちが競い合っていたパリ画壇での交流はほとんどなかったものの、作品は高く評価されて「白の画家」と呼ばれたと言われています。

展示されている作品は約80点。教会や修道院、四季折々の裏町の小路、丘から眺めたパリの街などの風景画が並びます。
「白の時代」と言われる20代後半、白い建物に赤や青なども加わり花も描いた「
多彩時代」とされるその後。白の描写には漆喰や石膏も使ったとの見方があるようですが、何はともあれ、すさんだ酒乱生活を思わせないしっかりした技法で、感性のまま筆を進めたことがうかがえます。