ロボットがどんなに進化したって、将棋や囲碁には勝てても、「職人の技」だけには勝てないのではないか――。
名古屋・栄のオアシス21「銀河の広場」と、NHK名古屋放送センタービル「プラザウエーブ21」で、22日から24日までの日程で開かれている「尾張名古屋の職人展」を見て、その思いを強くしました。
衣・食・住・生活に関するさまざまな製品を生み出している、愛知県内42の業界団体や伝統工芸に取り組む職人たちが、一堂に会して技能を披露する催し。今年で34回目になるそうです。
テント張りのブースに、有松絞や帽子、畳、タンス、仏具、琴、名古屋友禅などの組合が並びます。
クリーニングやハンドバッグ、ランドセル、扇子などが並ぶブースも。それぞれ、製品が即売されているほか、実演や職人技の体験を楽しめる企画もあります。
ノコギリで切ったり、カンナをかけたり、扇子を作ったり、真鍮などのリングに文字を入れたり。不器用な僕はこれ以上恥をさらしたくないので遠慮しましたが、あちこちのコーナーに「自分だけのイッピンづくり」を楽しむ市民の姿がありました。
大量生産にはなじまないこれらの業界は、規模が小さく、安定した経営や技能職者の養成と確保、後継者不足などの壁がいつも立ちはだかっていると言われます。でも、手作りの温かさ、柔らかさ、きめ細かさは、決して機械が取って代わることはできないはず。守り抜いて欲しい、と心から思いました。