「名古屋モノづくりフェスタ6」。こんなタイトルの展覧会が、名古屋市民ギャラリー矢田(地下鉄ナゴヤドーム前矢田駅下車)の4階で開かれているのを知り、出かけてきました。展覧会は10 月1日(日)まで。
モノづくりと言うのだから、名古屋・栄で先日あった尾張名古屋職人展の延長線上にある作品展ぐらいに思っていたところ、意外にもプラモデルの作品展。少し戸惑いましたが、展示作品を見ながら居合わせたプロのモデラー(プラモデル制作者)の説明を受けて、奥の深さに驚き、結構楽しめました。
6回目だというモノづくりフェスタの会場には、テレビアニメでお馴染みのロボットや戦車、戦艦、戦闘機、フィギュアなどのほか、これがプラモデル?と思う作品がびっしり。東海地方にあるプラモデル愛好家グループや教室からの出品作や、それらとはちょっと様子の違うプロの作品も並んでいます。
いまひとつ分からないので、居合わせた人に尋ねることにしました。
――週末にはコンテストもあるようですが、どこをどう見ればいいのですか。
プロモデラーで、各地のカルチャーセンターやサークルで指導している山田良太さんが答えてくれました。
「絵と同じですよ」と、まずひとこと。
僕が絵を趣味にしているのを見透かされたような思いになりましたが、山田さんが続けます。
「基本はプラスチック製模型キットを組み立てるのですが、着色でどう質感を出すか、部品をどう組み立てるかだけでなく、他のキットの部品を使ったり、自分で作ったり、切ったり、削ったりします」
「素材もプラスチックだけでなく金属や木、竹、紙などいろいろ。それらをどう生かし、作品にしていくかです」
この言葉に、改めてプロの作品を見ると、布や植物の繊維らしいものや整形したものが使われていました。
プラモデルが登場するよりずっと前、子どもだった僕も木製組み立てキットで飛行機や船を作りましたが、竹ひごなどは自分で作ったものです。
「そうして出来上がった自分だけの作品が、目にした人に感動を与え、記憶に残せるか。そのためには研究も必要ですが、肝心なのはそれを楽しんで作ること。楽しく作らねば、人に楽しんでもらえないと思います。絵も、そうでしょ?」
この世界も奥が深いものだ、と思いつつも、もう一言尋ねました。
――でも、不器用では駄目でしょう。僕はCDのケースだってなかなか開けられませんから。
この質問に、山田さんは一笑。「わぁ~、僕もCDのケースが開けられません。みんなは簡単に開けるのに・・・。教室で生徒さんを見ていても、器用・不器用は関係ないですよ」