先の教室のスケッチ会で訪れた、名古屋北区にある久国寺の鐘撞堂で見かけた岡本太郎作の梵鐘「歓喜の鐘」を絵にしました。
ウィキペディアによれば、梵鐘は大阪万博のシンボル「太陽の塔」より前の1966年に制作した5本のうちの1本。久国寺の住職が知人を通して岡本に依頼したそうです。
目にして「これを描くのは大変だな」と思いました。
緑青が目立つ表面に何やら絵みたいなものが、いっぱい描かれています。
手を大きく上げた人間、いや魚のようにも見えます。
動物、植物、昆虫らしいのも。それに妖怪みたいなのもいます。
周りに何本も突き出たサイの角のような太い円錐形の突起。岡本らしい表現でしょう。
しかし、とにかく絵が描かれていたり突起が飛び出した梵鐘なんて見たことがありません。説明文があるのかどうかも分からず、想像することにしました。
「歓喜の鐘」という題名や岡本の言葉「芸術は爆発だ」など、あれやこれやと考えて導き出したのは、絵に描かれているのは妖怪を含めて宇宙に存在するすべての物、つまり万物。円錐形の突起は、万物の生きる喜びが爆発する表現とみました。
どんな色で描くか。赤、黄、橙など、歓喜を表現できそうな色で描くことも考えましたが、僕の能力と感性では無理でしょう。結局、緑青も生かしてこのように描きました。10号です。