リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

☆国家機密の保護と民主主義

2013年10月27日 | 日々の風の吹くまま
10月26日。ジャパンタイムズに載っていた「特定秘密保護法」に反対する社説を読んで、FBに友達が貼っていた日本の女性活動団体へのリンクを辿って日弁連の反対弁論も読んで、やっと初めてこの法律の内容が少しわかって来た。なるほど、アメリカ(オバマ君?)が「一緒に遊びたかったら、ちゃんと秘密を守れよ」と言うもので、アベ君が「はい、そうします」と腕まくりをしたわけか。でも、これはあんがい表向きの「建前」で、アメリカをダシにして、実は国内での情報統制を図ろうとしているんじゃないかと思うだけど、どうなんだろうな。

最近国家機密が漏れっぱなしで赤っ恥のかき通しアメリカが他国に秘密を守れと要求するのは皮肉だけど、The Economist誌によると、日本政府の秘密保持体制があまりにもお粗末なもので、アメリカも他の友好国も日本には何も知らせないことが多いんだそうな。でも、いくら日本で秘密を守るための法律を作っても、アメリカ経由で漏れたらどうしようもない。せいぜいアベ君が「遺憾である!」と声明を出すくらいかな。もっとも、敵から国を守るためには秘密は必要なものだし、外交では国際交渉の武器にもなるものだから、法律で守られて当然の必要悪だと思う。アベ君の秘密保護法が問題なのは、(公務員も含めて)日本国民が「国民の不安をあおり、公共の秩序を害する」ような情報を他の日本国民に知らせないようにすることにまで範囲を広げているという点ではないかと思う。

だとしたら、日本国民はうまくしてやられたということになるけど、原発ほどには反対運動が盛り上がっていないように見えるのはどうしてかな。取材の自由を制限されるかもしれない新聞に反対運動の報道がほとんどないのはどうしてかな。アメリカに押し付けられたと思うんだったら、反米デモのひとつやふたつ起きても良さそうなもんだけど、それも聞かないな。どうしてかな。もしかして、アメリカにはムカつくけど、韓国や中国から日本の国益を守るのに必要だから、とりあえず目をつぶろうということなんだったら何をかいわんやだけど、排外思想はけっこう選択的なもんだから・・・。

まあ、平和憲法と同じようにアメリカの押し付けで作らされた法律と印象付けておけば、不都合が起きても「アメリカに作らされたんだもん」と口をとんがらせればいいわけで、アベ君にとっては好都合だろうな。(それにしても、アメリカって国はほんとに「都合のいい女」みたいなお人よしだな。)アベ君は反対する連立パートナーを宥めるために「国民の知る権利の保障に資する報道または取材の自由に十分に配慮しなければならない」という一文を入れたそうだけど、「十分に配慮」って、どれだけ配慮すれば十分なんだろうね。「十分に配慮したけど、やっぱり秘密にしとくことにしたよ」となるのかな。

どの国も諜報機関や盗聴機関があるし、国家存立の根底に関わる機密を保護する法律が普通にある。カナダにもCSIS、CSECといった機関と、Security of Information Act(情報保護法)という法律があって、ワタシもその旧法(Official Secrets Act)の下で宣誓して警察機関に勤めた関係で、生涯この法律が適用される。採用のときには指紋を登録させられて、徹底した身元調査をされた。カナダ大使館から警察庁を通じて日本の家族も調査されたはずで、機密取り扱いのクリアランスが出るまでの4ヵ月近くは採用されたポジションの業務とは無関係の受付と電話交換をやらされていた。もっとも、ワタシが勤務していたのは(スパイがやるような盗聴や隠密捜査はやっていたけど)諜報機関じゃないから、国の存立に関わるような秘密には縁がなかったけど。

政府による過剰な秘密保護を抑制するために、カナダには30年前からAccess to Information Act(情報アクセス法)という法律があって、これを補完する形でPrivacy Act(プライバシー法)というのがある。前者はメディアが政府が持っている情報を請求するのに活用している。政府はこれはダメという部分を塗り潰すことができるけど、メディアは開示された資料があまりにも真っ黒だと政府は何を隠しているんだと書き立てるし、議会では野党が追及して来るから、なぜ隠しているのか釈明するはめになる。(それでもしょっちゅう真っ黒に塗りつぶした莫大な資料を出して来るらしいけど。)後者の法律では、個人が政府が持っている自分に関する情報を請求することができる。政府が四の五の言って拒否したら、Privacy Commissioner(プライバシー保護官)に訴えればいい。

これだけの法律があっても、カナダ市民の知る権利を守る上では完璧にはほど遠い。まあ、完璧な制度などないし、少なくとも「チェック・アンド・バランス」としてある程度機能していると思う。日本のアベ君は何が何でも秘密保護法を押し通すつもりらしいから、秘密保護の行き過ぎや濫用を牽制できる法律の制定を要求する運動を起こすのが次善の策じゃないのかな。でなければ、次の総選挙で別の政府を選んで、国民のためにならない法律は改正させるか、廃止させるかすればいい。それが民主主義というもので、日本だって民主主義の国なんだから、日本国民ががんばって守らないとね。放っておくと、韓国や中国、ロシア、テロリストetc.(ついでにアメリカとヨーロッパ)の脅威から日本を守り、日本国民の不安を取り除くためだと言って特別警察を作り、政治秩序を維持するためだと言って大政翼賛会を作るなんてことにならないという保証はないでしょうが。


節税になると言ってたのに

2013年10月27日 | 日々の風の吹くまま
なぜかお金があり過ぎて税金がタイヘンだと騒いでいる夢を見ていたみたい。税金を払う
のはいつでもタイヘンだけど、お金があり過ぎって?「お金で幸せを買うことはできないが、
今ある幸せを2倍にすることはできる」と誰が言ったけど、幸せを倍にするのにだってずい
ぶん長い時間がかかったんだし。

個人年金積立口座を年金基金に切り替える手続きを調べていたら、取り崩す率が決まって
いるらしい。払い込んだときに所得控除の恩典を受けたんだから、引き出すときにそれなり
の税金を払ってくれということなのはわかるけど、引退したら所得が減って、税率区分も下
がるから「お得ですよ~」と囁いたのは誰なんだ?馬車馬みたいに働いて得た所得を最高
税率で持って行かれて、さらに連邦と州の両方から過分の付加税を取られて、しまいには
連邦付加税の付加税までふんだくられた挙句に、いざ老後になっても節税した以上の税金
を取られるかもって、ちょっと話が違うみたいだけど・・・?

ワタシが払った所得税の最高記録は約460万円。そのうちの40万円は3つの付加税の合
計だった。毎日10時間も仕事をして、さらに何時間も家事に追われての結果だったから、さ
すがにムカついた。それでも、個人年金に払い込める額も比例して増えたから、豊かな老
後を想像して、いいかなと思っていたのに、騙されたような気分になる。今、2人がもらう年
金は5つで、月に(一部源泉徴収があって)46万円。来年カレシの、6年後にワタシの個人
年金が加わると、インフレ調整による増額がなくても年間ざっと900万円。そうなってからも
仕事を続けたら、税金のために働くようなもんだね。

それにしてもどうしてこうなったのか、不思議な気がする。結婚してからずっと共働きの収入
をまとめて管理して来たのはワタシ。昔はまめに家計簿をつけていたし、住宅ローンの返済
計画もしっかり立てて実行したけど、新築した後は収支予測だけになって、フリーランス稼
業になったら銀行口座の残高がマイナスでなければ良しとするどんぶり勘定になってしまっ
た。でもまあ、お金は少しでも余分にあるに越したことはないから、文句は言わないけど、
税金に関してはやっぱり言っちゃうかなあ。お金持だって言ってるんだし・・・。