リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

「リタの教育」はいつか来た道

2014年10月01日 | 日々の風の吹くまま
雨雲がずっと北の方へ行ってしまったとかで、今日もいい天気。前庭のカエデが少し色づい
て来たみたい。今日から10月だもんね。今年もあと3ヵ月かと思うと、何となく急かされてい
るような気がしないでもないけど、まあ、もう今年の売り上げ目標を達成しちゃったし、後は
ぼちぼちと行けばいいか。とにかく、きのうやり残した仕事を一心不乱にやっつけて、ささっ
と納品して、ささっとご飯を食べて、今夜は楽しみにしていた芝居・・・。

シーズン2作目の『Educating Rita』(「リタの教育」)のオープニングナイト。「芸術監督サー
クル」に入って3年目で、顔なじみになったメンバーが増えて、すっかり場に馴染んだ感じが
する。人付き合いがあまり上手でないカレシもけっこういろんな人と他愛のない話をしては、
「人間性っておもしろいもんだな」。ワタシは元々物怖じしない(というか不遜な)たちなもの
で、聞いたらびっくり仰天するような肩書きや経歴の人たちに混じっても、誰とでもスモール
トークから始めておしゃべりに興じられるから得をしているのかもしれない。まあ、演劇好き
という共通点を軸にして、みんなファーストネームで呼び合うので堅苦しさがないと言う面も
あるかな。

ヒロインのリタは無学でがさつなヘアドレッサー。子供を作る前にましな人間になりたくて、
社会人講座に申し込んで、飲んだくれの文学教授フランクの元に通うようになった。本棚に
囲まれ、本の山が散らばるフランクのオフィス。登場人物はこの2人だけ。短い場面をまる
でストーリーボードのようにつなぐことでリタの変化と2人の交流の変化が語られる。学ぶこ
との楽しさを覚えて自主性を育てて行くリタは、それに嫉妬した夫に本を全部焼かれてしま
う。リタは「本は取り上げられても、頭の中のものを取り上げることはできない」と言う。そう
いうリタの成長に喪失不安を感じてか、教える楽しみを見出して飲まなくなっていたフランク
は再び深酒に・・・。

男が「自分の女」が精神的に成長して自立するようになると不安になったり、嫉妬したりする
のは普遍的な生理現象なのかなと思ってしまった。カレシにもそんな時期があって、何だか
昔のワタシ自身が舞台のリタに重なって涙がほろほろ。オーストラリアに行くことになって、
一緒に来ないかと誘うフランクに、「どうするか自分で選ぶわ」と言うリタ。教育とは何か、学
ぶとはどういうことか。酔ったような余韻で胸がいっぱい・・・。