リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

遺言状事始め

2014年10月07日 | 日々の風の吹くまま
目覚ましで起きて、急いでしたくをして、朝食抜きでグランヴィルアイランドへ。何だか夏が
ちょっぴり戻って来たような陽気。フォルスクリークの向こう側イェールタウンの高層ビルの
てっぺんが霞なのか霧なのかわからないけどもやっとかすんで見えた。アイランドには大型
観光バスが何台も止まっていて、観光客の集団がぞろぞろ。制服を着ている子供たちはど
うやら修学旅行の日本の高校生らしい。ターバン姿の人が通りすがりに「コニチワ、アリガト、
サヨナラ」とやったもので、「何、あれ?」とわいわい、きゃっきゃ。修学旅行に海外なんて、
豪華になったもんだなあ。

今日は奥のホテルのレストランで、Arts Clubの開発振興部(とでも言うのかな)の部長の
キャシーと理事のリチャードとランチミーティング。ワタシがキャシーに劇団を相続人とする
遺言状を書いて、劇団の遺贈サークルに登録したいと言ったもので、遺言状や遺産管理の
専門弁護士を本業とするリチャードを交えての会合になった。誰がどれだけ相続すると決め
られている日本とは大違いで、相続税のないカナダの相続制度の基本は遺言。遺言なしで
死ぬと検認裁判所が相続人を認定して配分率を決めるので、その手数料や何やで遺産を
ごそっと持って行かれかねない。

私達のめぼしい資産はどれも残った方が自動的に相続する「合有」になっているから、どち
らが遺言なしで先に死んでも特に困らない。そのせいで遺言状も書かずにのんびりして来
たわけだけど、共にシニアになって「老後の人生設計」を考え始めたとき、子供がいないの
でどちらか残った方が死んだときに遺言がないとまずいということになった。カレシの場合
は血縁の甥や姪がいるからいいけど、ワタシの場合は、日本で相続権を持つ親族を探すこ
とになればよけいに大変な費用がかかるから、下手をすると何も残らなくなってしまいかね
ない。生涯かけて働いて築いた(それほどでもない)財産がそれでは浮かばれないよね。

というわけでやっと重い腰を挙げたわけだけど、個人がそれぞれ自分の死後の後始末を考
えておくのは人生における最後の「責任事項」で、カナダの相続法はその責任を果たすこと
を促すようにできている。そこで、ワタシは未来の演劇人に全財産を残すことにしたんだけ
ど、カレシはどうするのかと思ったら、「キミの遺言状ができたら、オレはそれをコピーするか
らいいよ」。それって、何かちょっと無責任じゃない・・・?