リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

勉強の秋は犬かきでいこう

2014年10月15日 | 日々の風の吹くまま
雨。ベッドルームが暗いので正午過ぎまで眠ってしまった。毎日「雨、降ってる」という会話
で始まる季節の始まりということだけど、どんよりした日が何週間続いてもへっちゃらなのは
カレシのような生粋のバンクーバーっ子。ワタシも日照時間が極端に少ない土地で生まれ
て、学校でくる病予防の肝油を飲まされて育ったもので、1ヵ月くらい日が差さなくても平気
だけど、よそから来た人は季節性の鬱(SAD)にかかる人も多いらしい。三つ子の魂何とか
と言うし、やっぱり人間の五感は原体験や原風景に深く根ざしているということかな。

今日は「Educating Rita」の本と日本の翻訳協会の会員エッセイ集が同時に届いた。前者
はやっと見つけた古本だけど、大学向けの学習書だったのでびっくり。脚本の後に「文学」、
「教育」、「一般」のカテゴリに分かれた「質問」に答える形式の宿題があって、最後に10の
エッセイのテーマ。読んで、質問の内容を考えて、答をエッセイにまとめる・・・これ、劇中で
教授のフランクが使っていた教授法みたい。同時にカレシの英語教授法でもあるし、どぼん
と飛び込んで自己流の犬かきで泳ぐワタシの自学自習法に通じるところもあるもので、思い
がけない幸運に、俄然勉強熱に浮かされて興奮気味・・・。

協会のエッセイ集はこれで3年目。初年度から連続で投稿して来たけど、翻訳に関連する
テーマと言う制約があるので、いつもみんな硬めの内容が多い。そこでワタシはあまのじゃ
く全開で、今年のテーマは「引退後も人生はあるのか」。引退したら芝居の翻訳をやってみ
たいという、あまり同業者の役には立ちそうにない翻訳者の「白日夢」。でも、民族や歴史の
背景が濃い影を落とすストーリーを日本語訳しても日本の観客が受け入れるのか、ゲイを
テーマにした前衛芝居のせりふのリズム感、感性、音楽性を日本語でうまく表現できるのか
と言ったことは、ちょっとびびりそうな重いテーマ。だからこそ一世一代のチャレンジになる
と思っているんだけど。

今は完全なご隠居さん暮らしに向けての調整期なんて適当な理屈をつけて怠惰を貪って来
たけど、そろそろ長いこと棚に上げっぱなしにして来た「自分のための楽しみ」に本腰を入
れる時期が来ているということかな。せっかくいい学習書が手に入ったんだから、雨にも負
けずのリタを見習って、ワタシもその気になっているうちに、雨に負けずに、いっちょやって
みよ・・・。