リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から~EU誕生の地マーストリヒト

2023年04月06日 | 日々の風の吹くまま
4月4日(火曜日)。(マーストリヒト)。☀⛅。一晩中船のエンジンがかかったり止まったりしていたせいもあるのか、2人ともよく眠れなくて、また5時半に起きてしまった。携帯でチェックしたら外の気温はマイナス1度だって。おいおい、もうチューリップが咲く4月じゃないの。(でも、日曜日にはバンクーバーでビーチが白くなるほど雪が降ったそうだから・・・。)

マーストリヒトは、かっては経済的に栄えていたそうだけど、今は最大の雇用主がマーストリヒト大学と言う、大学町。でも、EU誕生の基礎となったマーストリヒト条約が締結されたところ。今日も徒歩での観光なので、白い「ゆっくりウォーク」組のタグをつけて、大学で働いているという(つまりは副業?)ガイドに従って、ぞろぞろと下船。この辺りがリバークルーズのいいところで、船を降りたら歩道があって、少し歩いて道路を渡ったら、そこが観光先の旧市街。かっては城壁がぐるりと街を囲んでいたんだそうで、修復と再建の努力が続いているという話。石の壁を修復するのに、周りの木を伐り払ったら、壁が崩れたことがあって、それで初めて壁に沿って植えられていた木の根が地盤を固めて、地下水から壁を守っていたことが分かったというから、昔の人の知恵は侮れないよね。




地獄門~向こうは評判よろしからぬところだった
オランダ最古の水車~まだ回っていた



「かたつむり」という名の酒場
中世の石畳
アウシュヴィッツで亡くなったユダヤ人の名前がが住んでいた住居の前にはめ込まれている

廃止になった聖堂を改装した本屋
中央広場は2つの教会の後ろ

この地域は今ではオランダだけど、ベルギーとドイツとの国境がほんの数キロと近くて、マーストリヒトもかってはフランス語圏だったそうで、旧市街の建物のあちこちにフランス語があるし、ちょっとおしゃれな店も(おそらく意図的に)フランス語の名前だったりするから、おもしろい。ガイドさんも奥さんはベルギー人で、車でぶっ飛ばして2時間もかかるアムステルダムよりもすぐそこのベルギーの方が親近感があると言っていた。国と国の間の距離感そのものが北米大陸の感覚とスケールがまったく違っていて、国境も2000年の枠で見ると、ひっきりなしに引き直されて来たってことだね。距離感よりももっと差があるのは「歴史」であらわされる時間の感覚かな。いともあっさりと10世紀には、13世紀にはと言うけど、コロンブスがアメリカ大陸にたどり着く前の話なわけだけど、ヨーロッパの人たちにとっては、歴史は川の流れのように連綿と続いて彼らの「今」を形成している本質なんだと思う。

マーストリヒトの生まれ育ちで今も住んでいるガイドさんは、わが町の案内に熱心なあまり、1時間半のツアーが何と2時間半の長丁場。ゆっくり組のじじばばにはちょっと応えたかな。船に戻ったときはもう正午を過ぎていたので、ほぼ回れ右でランチ。午後は夕食までぶらぶらして、夕食後はラウンジでバイオリン、ヴィオラ、ピアノのトリオによるクラシック音楽の演奏。部屋に戻ったら、世界のニュースをチェック。過去のクルーズで、インターネットへのアクセスに苦労したので、無料のWiFiは大丈夫かなと心配していたら、Avalonの船にはGo Beyondという手のひらに収まるようなキカイがあって、これが何とパーソナルなホットスポット。観光ガイドの説明を聞くための無線ラジオと組み合わせたもので、表示されているネットワークを選んで、表示されているパスワードでログインすると、信頼性はかなり高い。もちろんレンジが極端に狭いから、部屋に置いたままラウンジに出てしまうとネットは使えない。それにときどきは閘門など船の位置によってはネットが遮断されるんだけど、それ以外は手近においておけばいつでもネットが使えるからすごい。まあ、海の上と陸地では事情は違うだろうけど、おととしの地中海は特にアクセスが貧弱だったから、この秋に行くクルーズでSilverseaが採用していてくれるといいなあ。




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