森の中を歩いていると木の枝に真っ黒な長い髪の毛が・・・、この先に行ったらもしかして女性の・・・に遭遇しちゃうんじゃ?! キャ~!
と言うのは冗談で、ズバリ言うとこれはキノコの菌糸の束(根状菌糸束)です。それが髪の毛そっくりで山中の木に絡まってるので知ってる人が初見の人に冗談を言って脅かすのです(笑)。特に雨に濡れた後は艶々と光り生々しいので余計に真実味が出ます。
ただ細かい事を言うと「キノコの菌糸」という言い方は間違っていて、菌糸が本体でキノコは木で言うところの花(正確には子実体)なので、言い方としては「菌糸(菌類)のキノコ」です(笑)。「根状菌糸束」は菌根菌のように森いっぱいに広がってたりする事もあって、おまけに乾燥にも他の菌や微生物にも強いので、長い時間人の目に触れる事になります。
そしてこのヤマンバノカミノケを初めて菌類の菌糸と見抜いたのが、かの「南方熊楠」と言われています。「山婆の髪の毛と那智の辺で呼ぶ物を予はたびたび見た。~検鏡して、たやすくそれがマラスミウス属の根様体(リゾモルフ)であることを知った」南方熊楠コレクション 第5巻より
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