樅や松はいつも親しみを感じさせるが、 楓やポプラのように秘密は打ち明けない。 その神秘を表すことも ―― 長い間守って来た伝説を 洩らす事もしない ―― それだから無論 他のどの木々よりも興味がある。 妖精を思わせる気持ちの良い音や 涼しい捉えどころのない夜の匂い ―― 樹脂や枯れた羊歯などの ―― が小山一帯にみなぎっている。 【「エミリーはのぼる」 第16章】 |
朝は随分寒くなりましたが、
日中はポカポカ陽気に。
小春日和です。
久し振りに雨の心配のない
安定した空となりました。
目に沁みるような青い空と
ス~ッと刷毛で描いたような
白い雲が美しくて。
ふと、こんな時・・
空の見えない、
かの国の事を思います。
相も変わらず私は、
秋と冬の狭間の
ひっそりとして、けれども
豊かなこの季節を
満喫しています。
そう言えば・・。
どなたが仰ったのでしょう?
秋の色は宝石の色と・・。
何色とは決して
一言では言えない色。
それは何とも味わい深く、
思わず見とれる事も
しばしばです。
おまけに粒々とした種、
房になって垂れ下がる穂・・。
はじける実だって。
役目を終え、すがれ行く美・・
散り際の美学とでも
言いましょうか・・。
情感に訴えるものが、
百花繚乱の春以上にありますね。
特に日本人にとっては。
ところで今日の 『アンの世界』。
確かに広葉樹は針葉樹と違って、写真のように、
秘密を打ち明けてくれ、神秘を表してくれますものね。納得です。
短い秋を精一杯、楽しむ事と致しましょう。