静寂（しじま）の海

　　　　春のように、ほんのりピンクに
　　　霞んだ空で明けました。

　　　　昨日は霧、今朝は霞。
　　　気温も12月とは思えない暖かさ。

　　　　いつもの事ながら、「今、何月？」
　　　なんて、思わず呟く始末です。
　　　それにしても・・。

　　　　あれよ、あれよ・・という間に、
　　　12月も、もう11日。

　　　　今年も残す所、後、20日になってしまったのですね。
　　　でも、それだって、なくなってしまうのではなくて、年が満ちて行くのだと思えば・・。
　　　何だか笑顔になれそうです。

　　　“・・・銘々の心の中の動揺を別とすれば、
　　冬の日々は愉快に、なめらかに滑って行った。
　　1日1日と重なって行く日々は、1年と名付けられた、
　　ネックレスに連ねられた、
　　黄金の玉のようにもアンには思われた。・・・”
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【「赤毛のアン」　第30章】

　　　「―― 思い出って、とても素敵なんですもの。」　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【「赤毛のアン」　第26章】

　　　アンの言葉を借りるまでもなく、今の私の心の中の大部分を占めているもの・・。
　　思わず、「綺麗！」 と叫んでしまっていた、すみれ色の空と海と、
　　そこに浮かぶ絵のような島・・。

　　　勿論、先日の笠戸島を初め、瀬戸内海の海の事です。
　　そんな空と海を横目で眺めながら・・いつの間にか、オレンジに染まった海岸線を必死に、
　　車を走らせていた、あの “刹那” と、言っていい時間（とき）。冬の黄昏。

　　　ある種の心細さと、それでいて言葉では言い表せない、美しさの共有。
　　車を止めて、ゆっくりしたいけれど、冬の黄昏は、駈け足です。

　　　そんな気持ちとは裏腹に、スピードを加速させている私がいました。
　　オレンジから紫色に変わるのは、そんなに長い時間は、かかりません。
　　それから間もなくの事です。

　　　その美しさは、写真には撮れません
　　でしたが、しっかり心の目で捉えて
　　来たからいいですね。

　　　そして、こちらは今回のお土産です。
　　柳井の 「甘露醤油」 は1度使って以来、
　　やみつきになりました。

　　　そうそう、こちらを訪れる度、
　　いつも必ず求めていた、
　　「月で拾った卵」 は、今回は、パス。
　　
　　　代わりに求めたのが、途中の SA で
　　求めた赤穂の 「しほみ饅頭」 です。あっさりして、上品なお菓子です。