【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

テーブルの甘い香り

2011-09-01 16:15:36 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編




「家へ入って・・・・・お茶を差し上げましょう」
と本多は促した。
「私、ビスケットを持って来たわ」
慶子はさっき玄関へ置いて来た
包みの事を言っているのである。
銀座尾張町角の服部時計店が、
終戦以来PXになっているのを、
いつも木戸御免の慶子は、
手土産を大抵そこで調ととのえた。
戦前から馴染みの銘柄の
英国製のビスケット は、そこで安く手に入り、
ビスケットにはさまれた薄い堅いあんずのジャムの
歯触りが、彼女の少女時代のお茶の時間と
現在とを真っ直ぐに繋ぐのであった。
        【三島由紀夫作「暁の寺」~豊饒の海第3巻】

   今日から9月。
  起床時こそ雨は降っていなかったものの、9月最初の今日は雨となりました。
  それも断続的に降る、かなり強い雨。台風の影響なのでしょう。

   それでも頻繁に各地で起こっている局地的な豪雨には
  外れていましたから、久し振りのまとまった雨となりました。
  ひとまず猛暑から解放されたと思ったのですが・・。

   折角の雨も1日中、降り続くというのではなく、
  午前10時頃には太陽も。途端に蒸し暑くなって。
  
   その後は、降ったりやんだりを繰り返しています。
  (やんでいる時の方が多いかも知れません)
  



     さて、そんなちょっぴり薄暗い今日。
    今年の夏は、お茶のひと時ぐらいは・・
    と、小さな蝋燭を灯したものです。

     手元の小さな焔の揺らめきは
    格好の癒やしになりますから。

   少々、くさくさする事があっても、この焔を見ていると落ち着きます。
  プラス音楽と、最近では1本のレース針。

   いつか編物は色々な事を考えてしまう・・
  と申しましたが、それは音楽によって
  少なからず軽減されるようです。

   そんなこんなで。2週間振りですね。
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)』
  の開店と致しましょう。

   カップは、ヤマカ(山加陶器店)
  の 「ハナエ・モリ」。

   カサブランカの絵ですが、
  いつも時期を逸してしまって。
  ぎりぎりセーフといった処でしょうか・・。

   かなり大きめのカップですから
  たっぷり頂けます。

   お茶請けは横浜ロイヤルパークホテル
  のドーナツ。とろけるように美味です。
  お茶は先日のピーチの紅茶。

   ところで上記の引用文。 
  昨日は 『アンの世界』 でしたが、
  今日は日本。それも時代背景は、終戦後間もなく。
  
   しかも箱根に近い、目の前に富士山を見渡せる別荘地と来ています。
  こんな時、ふと浮かんだ景色は、【こちら】 。

   おまけにその会話は、もう少しすると小鳥がやって来て・・という風に続くのですもの。
  (写真の中の)小鳥のやって来た原っぱの向こうが、
  大好きな富士山・・~なんて、もう溜息です。








   こちらの写真は昨日の黄昏の空。
  何気なく見上げた空に虹の橋が・・。思わぬプレゼントでした。
  今、黄昏の刹那の空にわくわくしています。


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2 コメント

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お酒は (奏城)
2011-09-01 23:35:00
 さような、お八つの日の夜は、切子のグラスにコニャクを、というのが一つの流れかと。
  
 三島文学にたいする、リラさんらしい着眼点かと思います。
 さてティータイムは誰と過ごされたのでしょう?
返信する
太宰治 (リラ)
2011-09-02 18:26:12
 今晩は~! 奏城さん~☆
いつも温かいコメント、有り難う~!

  >さような、お八つの日の夜は、切子のグラスにコニャクを

 まぁ、素敵!
なぜでしょう・・? この言葉から太宰治を連想してしまいました。

 “朝、食堂でスウプを1匙、すっと吸ってお母様が 「あ」 と、
幽かな叫び声をお挙げになった・・・”
で始まる、「斜陽」 の。

 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)』 は、
気儘で適当なお店ですので、お客様はどなたも・・。

 アラッ!? 奏城さんがいらして下さいましたわね~!(笑)
こんな風に 「想像の余地」 たっぷりなのです。(笑)
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