キャサリンはまず、有名な服装店に行った。 夢見る公爵夫人 という感じの、 ほっそりした初老の フランス婦人が彼女を迎えた。 (中略) 夢見る公爵夫人 といった態度はどこへやら、 店主は甲高い声でマネキンたちに 矢継ぎ早に命令を下し始めた。 「・・・ 明るい灰色のスーツと、 “秋の吐息” というあのローブを マドモアゼルにお見せして。 マルセルは ミモザ色 の 可愛らしいスーツをね」 【A・クリスティー作 「ブルートレイン殺人事件」】 |
昨日の朝とは一転して爽やかな朝を迎えました。
昨夜も夕立から一気に秋に。
おまけに雨上がりの東の空には、
明日(8日)、下弦を迎える半月のお月様。
それはそれは美しいものでした。
そして今日。
昨夜から引き続き虫の大合唱が、
つい先程まで聞こえて来たものですが、今は静かです。
その上、アゲハ蝶や紋白蝶なども気持ち良さそうに飛び交っていて。
何だかこちらまで楽しくなります。
さて、今日の薔薇。
私はこれまで花びらがカールしているそれを、
一様に 「公爵夫人の薔薇」 と呼んで来ました。
でも一見、同じように見えても明らかに違うのもあります。
どんな名前にしようかと思案していましたが、やっと決定。
今日のタイトルにもなった 「夢見る公爵夫人」 と。
尤も先日来から盛んに登場している、
A・クリスティーの小説からの拝借ですけれど。
以前から感じていましたが、彼女も明らかに 同類。
訳者は違えど、言葉遣い、描写など共通点が至る所に。
例えば、「頭のてっぺんから爪先まで」 「崇拝者」 等など・・。
黄色の薔薇を 「金色の薔薇」 と言ったのは アン ですが、
「ミモザ色」 も素敵! 私もせいぜい使い分ける事に致しましょう。
一方、「夢見る公爵夫人」 に対し、こちらは静かに佇むセージ。
「青い貴婦人」 といった処でしょうか。冷静、かつ沈着なイメージです。
それにしても、庭には公爵夫人や貴婦人たちが勢揃い。
季節の移ろう今の季節、どうやら庭では虫の合唱やオーケストラをバックに、
社交界デビューが盛んに繰り広げられているのかも知れませんね。
でもないか、いつも泥まみれ汗まみれの私は
身分違いの方々を植えこみの陰からこっそり見つめるだけって感だものな~
リラさんなら、共に談笑なさってるんでしょうにね
再度、温かいコメント、有り難う~!
そして返信、遅くなりまして申し訳ありません。
>そんな高貴な方々にいつでも出会えるなんて
お馴染みの 「想像の余地」 の産物なんですのよ~。
いつだって会える事が出来るのです~。
~なんて。(笑)
> 身分違いの方々を植えこみの陰からこっそり見つめるだけって感だものな~
それも素敵~! 何だかアリスの世界のようですね~!