薔薇宮 はそれ自体が自分の小さな頑なな 夢の中に閉じ籠ったかのようだった。(中略) 殿中至る所に 薔薇模様 は 執拗に繰り返されていた。 白枠に金塗りの中二階の欄干は、 全て透かし彫りの金色の 薔薇 を連ねていた。 高い天上の中央から垂れた巨大なシャンデリアも、 金と白の 薔薇 に縁取られていた。 足下を見れば、敷き詰めた緋の絨毯も 薔薇 であった。 【三島由紀夫作 「暁の寺」~豊饒の海】 |
昨日の夕方から降り出した雨は、朝には上がっていました。
いつもの習慣で紅茶と共に頂くハーブを採りに私は庭へ。
こんな日の朝は、空気がキラキラ。
早朝ですからまだムッとした熱気はありません。ふっと顔を上げたその時。
目に入ったのは、婉然(えんぜん)と微笑んでいる薔薇。
“アラッ!? こんな所に・・”
それは紛れもなく、リラ版 「公爵夫人の薔薇」 ではありませんか。
挿木をしていたのが、いつの間にか根付いたようですね。
まだまだ若い木ですから花も幾分小粒ですが、
それでも既に公爵夫人の貫録十分です。
嬉しい事に、これもリラ版 「淑女の薔薇」 も待機中。
こんな風に何度も咲いてくれて有り難いです。
さて、上記の描写。
今日は アン には全く関係がありません。
タイ王朝のもの。
ここでも思うのですが、
薔薇ほど世界中の人々に
愛されている花はありませんね。
私は今日の薔薇は・・。
なぜか螺旋(らせん)階段の
一番上に立つ王妃を思います。
下では王妃の登場を今か
今かと待つ人々のやんやの喝采。
その声援に応えるが如く、
艶然と優雅に下りて来る
若い王妃の姿が重なります。
~なんて。
今日も 「想像の余地」、
全開となってしまった私です。
「有り難い事に空気と神様のお救いは未だにただだもの」
と、ジェムシーナおばさんが言った。
「それから笑いもよ」 アンが付け加えた。
【「アンの愛情」 第17章】
それからもう一つ 「想像」 も。
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