【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

深紅の淑女

2010-10-07 15:20:15 | 薔薇の追憶






   今日も気持ちの良い
  秋晴れとなりました。

   おまけに起床時には一面霧に
  覆われるという幻想的な光景も。

   開け放った窓からは、
  金木犀の心地良い香りが・・。

   ところで昨夕には、日本人2人の
  ノーベル化学賞受賞という、
  久々の嬉しいニュースが
  列島を駆け周りましたね。

   「資源なき日本・・頭脳しかない」 
  昨今の資源を巡る、隣国の理不尽な振る舞いを見るにつけ、
  鈴木章氏のこの言葉が、こんなに重く響いた事はありません。

   又、根岸英一氏は、「50年前からの夢・・」 とも。
  研究の地道な努力が光ります。

   さて、連日薔薇の事をお伝えしていますが、昨日の蕾の薔薇が開花しました。
  写真ではちょっと分かりませんが、こちらは赤は赤でも深紅。

   先日の薔薇、リラ版「公爵夫人の薔薇」 とは種類も違いますので、
  さしずめ 「深紅のドレスを纏(まと)った貴婦人」 でしょうか。
  いいえ、ちょっと長いですね。「深紅の淑女」 と致しましょう。 ~なんて。

   




   「・・・ 略 ・・・ずっと向こうの方には 薔薇 もあるんだよ――
  花の咲くのに合わせた古い歌に似合う古風な薔薇の花なんだ。
   可愛いエミリーよ、
  君の白い胸に当てるのに十分の白さを持った薔薇だよ。
  その柔らかな、雲のような君の髪の毛に挿すのに
  恥ずかしくない 紅い薔薇 だ。(中略)」

                                 【「エミリーの求めるもの」 第9章2.】

   



   活きた薔薇を胸に飾ったり、髪に挿したり・・。
  日本ではこんな習慣、あまりありませんが、こんな楽しみ方も素敵ですね。   

蕾の薔薇浪漫

2010-10-06 15:11:35 | 薔薇の追憶



【セージと 「黄蝶(キチョウ)」】




   秋晴れが続きます。
  そのお天気と空中の香気に誘われ、
  今日は朝から小さな来客がしきり。

   アゲハ蝶、紋白蝶、
  そしてこちらの 「黄蝶(キチョウ)」。

   2頭、連れ立ってやって来ましたが、
  なかなか翅を休めてくれません。
  でも、チャンスは意外な処から。

   本当に何気なくフラッと庭に出た時・・
  そこに止まっているではありませんか。

   思えば・・毎回、
  同じ事を繰り返している私です。

   なかなか学習出来なくて、
  慌ててカメラを取りに戻る・・。
  それが常なのですから。

   でも、そんな時、逃げないで
  必ず待っていてくれるのが、
  不思議と言えば不思議です。

   さて今年の猛暑は、農作物にも多大な影響を与えているようですね。
  でも薔薇にとってはどうなのでしょう。
  少なくとも我が家の薔薇にとっては、好影響だったような気がします。

   例年になく次から次へと咲いてくれています。
  それも日陰の場所の、1年に1度咲くか咲かないような薔薇にまで。

   あの暑さがいつもなら届かない、そんな薔薇にまでエネルギーを与えてくれたのでは・・
  ~なんて思ってしまうのです。猛暑にさえ、ちゃんと両面はあるのですね。

   




   “・・・ 略 ・・・ ショウ老人の庭には奇蹟が起ったのである。
  片隅にどんなに機嫌をとっても1度も花の咲かない
  薔薇の繁みがあり、セーラはそれを
  「気難し屋の薔薇」 といつも呼んでいたのが見よ! 
   この夏には何年もの間、秘められていた美しさが
  あまたの白い花となり、そこはかとなく
  かぐわしい香りをたたえた浅い象牙の杯を思わせた。(中略)”

                                            【「アンの友達」 6.】
  
   




   ところで余談ながら、今日のタイトルの「浪漫」 という文字。
  この漢字を創作したのは、夏目漱石だそうですね。

   「ロマン」 より、「浪漫」と漢字にした方がどんなに素敵でしょう。
  単なる無機質の文字だったものが、ぐっと詩的になりますもの。
  「想像の余地」 も一気に膨らみますものね。

   そうそう余談ついでに。
  「I LOVE YOU」、あなたなら、どのように訳されますか・・?

   そのまま訳せば、“私は、あなたを愛します” ですが、
  漱石は違います。“月が美しいですね” とか。何と深いのでしょう。
  ここにも 「想像の余地」 がたっぷりです。

人生の哀歓

2010-10-05 16:02:02 | 心の宝石箱




   起床時こそ雲の多い天気
  でしたが、こちらは気持ちの良い
  秋晴れとなりました。

   窓を開けると金木犀の、
  かぐわしい香りが漂って来ます。

   お天気は良い、
  空気中には天然のアロマ・・。

   今、一番良い季節と言っても
  過言ではありません。
  『アンの世界』 にも勝るとも劣りませんね。

   




   “・・・ 略 ・・・ 晴れ渡った、爽やかな、日の照る美しい秋の朝で、
  夜来の雨に打たれ、濡れそぼった羊歯が霜で白くなり
  かぐわしい香気を放っていた。
   森のあちこちで、黒ずんだ、エゾマツのときわ木に向かって、
  楓が華やかな深紅の旗を緩やかに振り、
  樺の大枝が薄い金色を見せていた。空気は澄んで爽快であった。”

                                      【「アンの友達 2.」 ~10月の章】   



   さて、やっとの事で渡辺純一作
  『エ・アロール~それがどうしたの』、
  読了。

   初めは面白そう・・なんて思い、
  読み始めたものですが、
  途中からペースダウン。

   この小説は東京は銀座にある、
  高級老人施設が舞台。

   経済的に恵まれた人々の老後の
  生き方を生々しく描いています。

   渡辺純一の本は、(特に初期の作品は医学物が多かったものですが)
  それこそ熱中して読んだものです。

   他にも 「阿寒に果つ」 や 「無影燈」、
  「雲の階段」、「ひとひらの雪」 等など・・本当に面白かったです。

   ある時期から作風が変わり? 特に 「失楽園」 以降は、ちょっと苦手に。
  そう言えば前回の本(題名失念)も途中から気持ちが悪くなって、やめましたっけ。

   話が逸れました。
  ただ、この小説で心に強く残った言葉があります。
  それは、「廃用性萎縮」 という言葉。

   聞き慣れない言葉ですが、本来は医学用語のようです。
  これについては小説の文中に詳しい説明がありますので、以下に抜粋します。
  





(中略) これは本来医学用語で、四肢を骨折した時、
腕や足にギブスを巻いたまま使わずにいると、
その部分が痩せて萎えてしまう。

要するに実際に使わぬうちに本来の機能を失う事を
言っているのだが、これは四肢に限らず内臓から脳まで
当てはまり、人体の全ては使わなければ働きが悪くなり、
やがては能力が落ちて廃れてしまう。(中略)

例えば趣味で絵を描くとか俳句を作るといった事が好きで、
いつも努力を重ねていると、そちらの方のセンスが磨かれ、
徐々にながら確実に上手になって行く。

だが、何かのきっかけでそれをやめ、そのまま怠けていると、
折角のセンスも失われ、ついには一切やらなくても
平気になってしまう。

まさしく、やらなければやらないでその状態に馴染み、
気がつくと取り返しがつかなくなるという意味で、
廃用性萎縮 そのものである。(中略)

年齢相応という考え方は、一つ間違えると年齢に甘えて、
限りなく無気力に、かつ身勝手になる事と隣り合わせでもある。
「もう年だから」 という言い訳に頼り過ぎて、
気が付くと 廃用性萎縮 ならぬ、廃人になってしまう事もある。
                    渡辺純一作 「エ・アロール」より


   




   この 「廃用性萎縮」。
  私など思い当たる事大ですので、余計に身につまされたのかも知れません。

   そうそう、次なる本は松本清張作、「風の息」。(上下巻)
  実家にあったものですが、読んでいませんでした。
  昭和27年の日航 「もくせい号」 の事故を取り上げています。

香りをまとう季節

2010-10-04 16:46:16 | 薔薇の追憶






   こちらは雨の朝となりました。
  午前中は降ったりやんだり・・。
  何とも安定しない天気です。

   ところが正午を回った途端に、
  急激に回復。天気予報通りです。

   そんな中、今日1番の幸せ。
  起床して窓を開けるや否や、
  鼻孔をくすぐる仄かな香り・・。

   これは・・?
  つい先日嗅いだばかりの香り。
  
   未だ覚めやらぬボ~ッとした
  寝起きの頭にもそれが
  金木犀の香り・・に結びつくまで、
  たいした時間はかかりません。

   それにしても先日は、
  たった1ヶ所だけの金木犀の花が、
  あっちにもこっちにも。

   いよいよ本格的なアロマの季節の
  到来だと思うと心、ウキウキです。

   紅薔薇 は真っ盛りだった。
  セーラは元からこの薔薇が好きだった ――
  薔薇自身、セーラと同じく、
  溌剌はつらつとした生命の喜びで活き活きとしていた。・・・ 略 ・・・”
               
                                       【「アンの友達」 6.】

   そしてもう一つ。香り高いと言えば、リラ版 「公爵夫人の薔薇」 の開花。
  気のせいでしょうか、気付かないうちに咲いたものですから、
  今日のそれは、ちょっぴり “やんちゃ気味” な気がして。
  
   蕾のうちから今日咲くか明日咲くかと・・見守っていたものとは、
  どこか違う気がします。凛としていて、近寄り難い雰囲気は感じられません。
  
   いいえ、ほんの少し遠のいただけですね。
  “水もしたたる、素敵な薔薇・・” には間違いありませんから。
  雨に濡れて艶やかさが、より増したような気がします。  

庭に咲く美しき野の花

2010-10-03 14:36:36 | 路傍の花~道草

【枸杞(クコ)の花】

【鬼田平子(オニタビラコ】                                 【「藜(アカザ)」】↓

   お天気崩れるとの予報は、
  午前中は外れ、太陽も。
  それだけでも随分、得した気分。
   
   ただ南風が強く、
  時間の経過と共に真珠色の空に。
  
   窓越しに高く伸びたサルビアや、
  ローズゼラニウムが大きく
  揺れているのが見えます。

   不思議な事にカンナ。
  雨には殊の外弱いけれど・・
  風には強いのですね。

   おまけに10月とは思えない、
  生暖かい気候。

   今夏の猛暑など地球温暖化が
  叫ばれていますが、100年前の
  『アンの世界』 ですら、
  至る所にその不安な記述を目にします。
  いつの時代でも起こり得る単なる杞憂ならいいのですが・・。

   「雨になるらしいですよ。
  この秋は今までにだって恐ろしく降りましたからね、
  畑仕事をする人は大変ですよ。
  私の 若い頃 はこんな事はありませんでしたね。
  たいてい 10月 と言えば、いい天気でしたよ。
  だけど、季節も今じゃ元とはまるきり 変わりましたよね

                                       【「アンの娘リラ」 第33章】

 
【「水引草(ミズヒキソウ)」】・【「藪蘭(ヤブラン)」】

   さて、我庭に咲く野の花、第3弾。
  ここに来て 「藜(アカザ)」 に花が
  咲けば 「水引草」 や 「藪蘭」、
  「露草」 までもが
  続々と姿を見せています。

   そうそう、春程ではありませんが、
  「鬼田平子」 も。

   こうして見ますと・・。
  そのどれもが、何と繊細で、
  華奢な姿なのでしょう。 

   これらは見た目は可憐ですが、
  雨にも風にも負けません。どうやら野の花には見習う事が沢山あるようですね。   

白の妃(きさき)

2010-10-02 16:26:56 | 薔薇の追憶






   こちらは今日も快晴になりました。
  淡い水色の空に白い雲がポカン、
  ポカン・・と浮いています。
  
   眺めているだけで、
  心もポワ~ン。

   気温は少々高め。
  今の処、その気配はありませんが、
  このお天気もどうやら
  今日までのようです。

   そしてそれは、
  向こう1週間、続くとか・・。

   さて、心わくわく連日のように
  薔薇の写真を掲載しています。

   リラ版 「ギルバートの薔薇」 が、
  満を持して開花しました。

   凛としたその表情、
  立ち姿、醸(かも)し出す雰囲気・・
  何という気品なのでしょう。
  
   まさに高貴な姿。おまけに香りも一級品です。
  どう見ても貴婦人の姿ですものね。

   咄嗟に 「白い貴婦人」・・なんて思いましたが、
  既に使用していたのですね。【ジャスミン】 の花に。なので 「白の妃(きさき)」 と。
  考えてみれば、薔薇の名前に男性の名前は、ちょっと変ですものね。
  
   安易に 「アンの薔薇」 に対して 「ギルバートの薔薇」
  ~なんて、付けてしまった事が悔やまれます。

   そもそも 「アンの薔薇」 は、最初 「ピンクの少公女」 でしたもの。
  「ギルバートの薔薇」 も、「白い妃(きさき)」 と致しましょう。
  
   とは言え、【「ピエール・ド・ロンサール」 の薔薇】 は、男性ですが。
  (フランスの詩人、ロンサールに因んで付けられたそうです)
  ですから今日だけの命名。いいえ、別名としましょうか・・。

   ところで随分昔の事ですが、「アンネの薔薇」 の物語を
  テレビで見た記憶があります。確か黄色に、淡いピンクが混ざった薔薇だったような・・。

   「アンネの薔薇」 と 「アンの薔薇」。
  たった 1字違いですが、「アンネの薔薇」 には、名前の背景にある歴史と哀愁を感じ・・。
  名前の大切さを思います。他愛のない事ですが、薔薇の事は本当に話が尽きませんね。

想像の翼に乗って

2010-10-01 15:22:15 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編




   昨日の雨は上がり快晴となりました。
  朝のゴミ出しの時など透き通った
  水色の空に、つい見惚(と)れて・・。

   思わず向こうから来る方に
  ぶつかりそうになった程。

   それにしても
  今年の気温の上下降の激しさ。

   昨日は晩秋、今日は晩夏・・
  といった処でしょうか。

   ちょっとばかり、
  フラフラ? してしまうのも、
  仕方のない事かも知れません。

   さて、昨日もお伝えした、
  リラ版 「ギルバートの薔薇」。

   今日も少しずつ少しずつ・・
  綻(ほころ)んでくれています。
  
   今日は殊の外、この薔薇が気になって。
  と言っても、私は蕾の薔薇が一番好きなのですけれど。

   丁度、私だけの東屋? が、この薔薇の咲いているすぐ傍ですので、
  ここでお茶・・と行きたいのですが、まだまだ蚊に刺されますので断念。
  いつものように思い切り窓辺に寄せて・・それでいいですね。



     「今日は風が南から吹いて来ますから、
    セージの匂いが漂って来るんですの。
    お茶を運んで来ますからご一緒に頂きましょう」


   アン ならきっとこんな風に言うかも知れませんね。
  そんな訳で今回は少々早いけれど、『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、オープンです。

   今日から10月ですので、
  テーブルの上は秋色に
  模様替え致しましょう。

   となれば、カップも土物に。
  生憎、どちらの焼物か
  失念していますが、
  結構、お気に入りの器です。
  昭和の郷愁を感じたりして。

   ただ、こんな風に
  器の直径が広いのは、
  冷めるのが早い気が・・。
  寒い季節には向きませんね。

   そうそう、日々草を挿している器は、備前焼です。
  元々は灰皿ですが、中にお猪口を入れて花瓶の代わりに。