ルノワールの『浴女たち』

フランス印象派の代表的画家、ピエール＝オーギュスト・ルノワール（１８４１年２月２５日～１９１９年１２月３日）。長男ピエール・ルノワールは、ジャン・ギャバン主演「珊瑚礁」（３９）などの俳優。

次男ジャン・ルノワールは、「黄金の馬車」（５３）「フレンチ・カンカン」（５４）などの監督。なんでも第１次世界大戦で負傷し、療養生活を送るうちに映画に興味を抱くようになったとか。

１９２４年、父の遺産で映画製作プロを設立。時代はトーキーとなり、「どん底」（３６）「大いなる幻影」（３７）「ラ・マルセイエーズ」（３８）「ゲームの規則」（３９）「ピクニック」（４６）など

監督の他、脚本、製作、俳優としても活躍。多才ですねぇ～。そんな芸術家一家とも言えるルノワール家。ピエールを父に持ち、ジャンの甥にあたるクロード・ルノワールは、撮影監督として活躍。

彼の作品には、「血とバラ」（６１）「バーバレラ」（６７）「世にも怪奇な物語」（６７）「エスピオナージ」（７３）「フレンチ・コネクション２」（７５）「００７／私を愛したスパイ」（７７）などがあります。

ルノワールのひ孫にあたるジャック・ルノワールの原作を映画化したのが、「ルノワール 陽だまりの裸婦」（１２）です。監督、脚本は「メッセージ そして、愛が残る」（０８）のジル・ブルドス。

１９１５年、コートダジュール。７４歳のルノワール（ミシェル・ブーケ）は、病に冒され満足に絵筆も握れないようになっていました。そして最愛の妻を亡くし、失意のどん底にいました。

その上、息子のジャン（ヴァンサン・ロティエ）が、戦地で負傷したという知らせが届きます。そんなある日、ルノワールの前に美しく若々しい娘アンドレ（クリスタ・テレ）が現れます。

まるで光をまとったかのような、あふれんばかりの生命力を持つアンドレ。たちまち、魅了されたルノワールは、彼女をモデルに絵を描き始めるのでした。それが『浴女たち』だったのです。

ミシェル・ブーケは、フランソワ・トリュフォー監督「黒衣の花嫁」（６８）、ジャック・ドレー監督「ボルサリーノ」（７０）、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督「トト・ザ・ヒーロー」（９１）の名優です。ぴったり！