『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

まだ春休み

2013-04-05 06:57:00 | 映画
新年度が始まったが、
新学期の業務はまだ
2週間後ぐらいなので、
自宅でまったり暮らしている。

勉強や執筆の合間には、
映画と読書と料理を
楽しんでいる。




これは男ばかりの
不思議なテイストであった。

瑛太は、どうしても
『のだめ』の竜ちゃんの
イメージが強い。

『おひさま』で善良な夫役の
高良健吾が悪役で出てきたのが
意外性があった。

松田優作の息子は
親父ほどカリスマ性がない。




ゲオの新作WWⅡものを
借りてきたが、
地味な作りでいささか
物足りなかった。

それでも、
『シン・レッドライン』のような
火線の描写は
なかなか見せてくれた。




これもWWⅡの収容所ものだが、
監督の作為が出すぎて、
啓蒙映画だと自ら出演しているものの、
陳腐でお粗末な作品だった。


********

人生随談

先生 良寛の辞世の歌がいいんですよ。

    
    

    うらをみせ
     おもてをみせて
      ちるもみじ 
   
    
    
   
 

かたみとて
 なにかのこさむ
  はるははな
   やまほととぎす 
    あきはもみじは

    
    ちるさくら 
     のこるさくらも
      ちるさくら

奈保子 「裏を見せ、表を見せて」というのは、全人的に生きる、ということでしょうか。
先生 うん。聖も俗も生きるということかな。さらに敷衍して、ユング的に言えば、意識も無意識もひっくるめて自己実現の道を歩む、個性化の過程を歩む、ということでしょうね。
奈保子 女性でも、劣等機能である男性性を生かしていく、ということですね。
先生 そうだね。それに、子どもの心も老人の心も生かしていく。
奈保子 児童元型や老賢者を体現するということですね。
先生 そう。まさに、全人的に生きるということです。狐狸庵先生は、人生と生活は違って、それは車の両輪の如しだ、と言いましたね。
奈保子 はい。以前、講義で伺いました。「いかに生きていくか」という側面と「実際に生きていく」という側面のバランスが大切なんですね。
先生 そう。換言すれば、形而上的なものと形而下的なものとも言えるね。
学問や芸術や宗教、哲学ということだけ追い求めても所詮、車の方輪でしかなくて、この世にはもう片側もあるということです。
奈保子 「裏を見せ、表を見せて、散るもみじ」には、それと「もののあはれ」のような美意識が感じられますね。
先生 動的な自然描写にもなっているでしょ。まさしく、秀句ですよね。
奈保子 良寛様の生き様が句に現れています。
先生 「形見とて…」は、清貧の僧らしく、形而下的な財や物質は何もない「本来無一物」そのものでしたから、残せるのは「春は花、夏はホトトギス、秋はもみじ葉」といった我が愛する自然を遺していきます、といういたってスケールが大きい句なんですね。
奈保子 そうですね。我と自然が一体化していたからこそ、自分の分身ですよ、ということなのかもしれませんね。
先生 そうだね。この辞世の句は、恋していた貞心へ遺すことを意識していたんですよ。事実、彼女が後世に伝えていますからね。
 私が死んでも、悲しまなくともいいよ。春には花に、夏にはホトトギスに、秋には紅葉に、私は姿を変えて、あなたの前にいるのだから、と言いたかったのかもしれませんね。
奈保子 それは、残される女性にとっては、すごくロマンティックな別れの言葉ですね。
先生 なんだか、『千の風になって』みたいですけどね(笑)。
奈保子 ここにも、本来の日本人の心性としての、自然に抱かれ溶け込むことによる安心立命の境地というのが現れていますね。
先生 その通りですね。良寛は、そんなことは一言も言っていないけど、なんだか、現代の文明批判にもなっているし、豊かなものに囲まれていながら不安や殺伐たる気分にまとわり憑かれている現代人への処方箋をも示しているようじゃないですか。
奈保子 そう思います。
先生 夏目漱石もロンドンに留学したときに、当時の文明の発達と人心の孤独感を察知して、帰国後の小説を通して、日本の行く末を暗示していましたが、『門』とかで宗教性に触れながらも、結局は具体的な処方箋を見出せずに、自身も神経衰弱と胃病を患って早死にするでしょ。
奈保子 そうですね。良寛さんの老成して達観した自然死とは違う、壮年期の途中死のようでもありますね。
先生 そう。まさしく、インテリの死、という感じですね。

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年100冊

2013-04-04 09:03:00 | 

4/1から新年度が始まり、
手持ちのシステムノートも
1ページからスタートした。

昨年度は、途中から、
年間100本の映画を観てやろう、
というテーマと目標を設定して
3/31の年度末で131本を達成した。

HDDレコーダーが2台あって、
同時に3番組録画できるので
BSや地デジの映画をずいぶんと観た。

昨晩も『カールじいさんの空飛ぶ家』を観た。



子供だましの話かと
高を括って観てみたが、
あんがいに面白くて
終いまで観てしまった。

映像が美しかった
ということもある。




この春休みには、
漱石の『行人』を読了した。

『三四郎』『それから』『門』の
三部作以降に書かれた作品だが、
ここにも、神経過敏な
インテリの苦悩が描かれていて
現代に通ずるものが読み取れた。

そしたら、たまたま
昨晩からEテレの『100分 de 名著』
という番組で、姜 尚中が
『こころ』の解説を
4週に渡ってするというので、
観てみたが、これが面白かった。

今は、漱石の『道草』を読み始めている。
河合先生の作品分析に取り上げられていて
筋は知っているが、未読だったので
この機会に読んでみることにした。

毎月10冊ずつ読めば、
年間120冊の勘定になるから、
別に目標を決めずともいいようなものだが、
50代は「文学の時代」にしようと、
若い頃から考えていたので、
著名な作品集は読破したいと思っている。



*************


人生随談

奈保子 「でくのぼう」「風狂」「大愚」の三人は、いずれも野人ですね。公職の立場ではありませんでしょ。
先生 そうだね。みんなブラブラしてた人たちです(笑)。一休なんか、大徳寺の大僧正という、当時、最高位の地位に推挙されていながら蹴って、都から離れた田辺の酬恩庵にいましたからね。良寛は、国上の山ん中の五合庵で自ら乞食坊主として生きたでしょ。賢治も羅須地人協会で独居してたし。
奈保子 いずれも独身でしたね。
先生 賢治はそうだったけど、一休は森女という盲女を囲っていたし、良寛には貞心尼という聡明な美女が相思相愛の相手だったんですよ。坊主のくせに生臭いでしょ(笑)。
奈保子 当時、僧侶の肉食妻帯は禁忌でしたものね。
先生 うん。でも、けっこう破戒僧は多かったみたいですけどね。でも、一休と良寛は、そういう俗な関係を超越したような達観の末にあるように見えますけどね。
奈保子 やはり、伝記とかは沢山読まれたんですか。
先生 そうですね。いろんな著者のものを10冊くらいずつは読んだかな。
奈保子 先生お勧めの「10冊学習」ですね。
先生 そうそう。どんなことでも、一つのことを知りたかったら、最低それに関する専門書を10冊読んだら、粗方は解るでしょ。しかも、ブックオフなら10冊で1.050円ですから。
奈保子 ネットで一回検索しただけで解ったような気になるのが、現代の学生ですが、それですと、やっぱり所詮、「解ったような気になる」だけなんでしょうね。
先生 そうだと思いますよ。あまり、コストと労力をかけてないからね。ブックオフで105円本を10冊揃えようと思ったら、最低でも10店は探してまわらないと。それが、けっこう楽しくもあるんですがね。
奈保子 あるいは、図書館に出かけて調べてみるとかの「足」とか「汗」という体を使うことが大切なんですね。
先生 そう。それが、身をもって知るということです。
奈保子 はい。実行します(笑)。
先生 …で、一休は、一見、女犯のようなことをしながら、そこに菩薩に至る道がある、というようなことを言っているのね。
奈保子 それは、明恵上人も同じようなことを言っていませんでしたか。
先生 言ってます。河合先生の『明恵夢を生きる』にありましたね。
奈保子 明恵は最後まで女犯を犯さず清僧でしたね。
先生 そうです。明恵も立派だけど、一休も良寛も立派だと思いますよ。
明恵は武士の出だったんで、清廉潔白なんですね。それで、子どもの頃、自殺を図ったり、自分の耳を切ったり、一途で激しいんですよ。
奈保子 ストイックだったんでしょうね。
先生 かもしれない。徹底してた人みたいですね。だから、当時の破戒僧たちを罵倒してますからね。でも、方や、「風狂」「大愚」でしょ。人間なんて所詮「いい加減」なんだ…という処まで達観して、自然体になっている。
奈保子 賢治も本当は恋をしていて、それをかなり抑圧していたらしいですね。
先生 そうです。ですから、死ぬ前に、性愛という自然を無理に抑えてきた自分は間違っていた、と述懐してるんですね。
奈保子 じゃ、一休さんたちは、正しかったんですね(笑)。
先生 一休も良寛もちゃんとした修行は積んでるんですよ。つまり、楷書をしっかり学んでいて、その上で草書のように崩していったんだと思うんだけどね。
 あ、そうそう。思い出したけど、一休も子どもの頃、琵琶湖に投身自殺しようとしたんですね。明恵とおんなじだわ。
奈保子 二人とも多感で繊細だったんですね。
先生 それと、ずば抜けて頭がよかったんです。美しい楷書と流麗な草書、それぞれに素晴らしいものでしょ。
奈保子 なるほど。二人の比較として、言い得て妙ですね。

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連ドラ

2013-04-03 04:39:00 | TV・ドラマ


毎朝、半年間、観てきた
『純と愛』が終わった。

旦那の愛(いとし)が
脳腫瘍の術後に目覚めず、
母親も認知症が悪化し、
ホテルも再建できず・・・
という主人公の純にとって
三重苦のまま最終回を迎える、
という珍しいパターンであった。

あとは、視聴者が
その後を想像してほしい、
というような
かなり含みはあった。



新番組が始まった。

震災前の三陸が舞台である。

ヒロインは新人だが、
脇がベテラン女優ぞろい。

宮本信子と渡辺えり
だけでも十分な厚みがある。

連ドラには、時々、
どうしようもない駄作があるが、
マンガを見るつもりで
物語の展開に付き合っている。

『純と愛』はマンガ的には
まあまあだったかもしれない。



***************

人生随談

奈保子 以前、心理学の講義でもお話を伺ったことがありますが、先生が「感化」された偉人・賢人について、またお聞かせ頂けますでしょうか。
先生 はいはい。私が人生のモデルとしている人物ですね。
奈保子 たしか、賢治・一休・良寛という三人を挙げておられましたね。
先生 そうですね。この三人は、「でくのぼう」「風狂」「大愚」というハンドルネームがあるんですよ。
奈保子 はい。それはノートに書いたので、覚えています。そして、いずれも「聖なるもの」ということでしたね。
先生 そうです。それと、かつての日本人から好かれてきた人たちですね。今の、若い世代にはピンとこないかもしれませんけど。
奈保子 賢治は童話で世界的に翻訳されていますね。
先生 うん。ファンタジーの世界ではワールドワイドですね。日本のアニメもずいぶん寄与しているけど。
奈保子 この三人に共通しているのが、「反骨」であり、反権力的だということでしたね。
先生 それゆえに、「ピュアなもの」があるんですね。それで、「聖なるもの」でありながら、俗からは離れてはいないんです。
奈保子 一休さんと良寛さんは、どちらも和尚さんだから、宗教者ですものね。
先生 賢治は晩年は法華経にそうとう凝ったんですよ。
奈保子 あ、そうでしたね。父親を折伏させようとしたりしましたね。
先生 あと、最近、気づいたんですけど、この三人とも、いずれも「若旦那」なんですよ。
奈保子 そうなんですか。
先生 賢治は裕福な質屋の長男でしょ。良寛さんも、名主の長男だし、一休は天皇の御落胤ですからね。みんな、若旦那なんです。それも、バカ旦那に近い…(笑)。
奈保子 そうなんですか?
先生 伝記を読んだらわかりますけどね。良寛なんか、「昼行灯」と渾名されるほどだったし、賢治はモラトリアムだったでしょ。そのくせ、あの時代に生徒を家に呼んで、チェロを弾いたり、蓄音機聞かせたり、サイダー飲ませたりしてるんですよ。坊ちゃんだから。それでいて、貧民から質草を預かる父親の商売を罵倒したりしてるんです。
奈保子 なるほど。


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餅つき

2013-04-02 15:57:00 | 風景
30日の晩から
突然、ネットが普通になり、
いろいろいじってみたがダメで、
ルーターの故障かと思って
新品にしてみたが、
やっぱり不具合のままだった。

昨日、一日、あれこれやっても
ダメだったので、今日、
NTTに連絡してみたら
モデムが故障している
とのことで交換にきた。

ところが、交換しても繋がらず、
やってきた修理担当のオジサンも
まったく要領が得なくて、
謝りながら帰っていた。

頼りは、プロバイダーの
エンジニアしかいないので、
SOSの電話をかけてみたら、
おねーちゃんがテキパキ誘導してくれて
アッという間に繋がった。

これこそ、プロの仕事である、
と感心したが・・・、
オジサン・・・、もちっと
しっかりしてくりや~(笑)。soppo




昨日は、神式の勧学祭で
今年、新入学、進級する
子どもたちが集まって
恒例の餅つきをやってきた。

おチビちゃんたちも
子ども用の杵で
「わたちもやる」って
ペタコペタコしてたのが
可愛かった。

つきたてのお餅は
温かく柔らかくて、
雑煮や餡子、クルミなどで
6ケも食べてしまった。



いい天気だったので、
阿武隈川の堤防で
白鳥を眺めながら、
発表会の練習もしてきた。




人生随談

奈保子 ナッちゃんでは、何か覚えておられますか?
先生 そうですね…。あの子が2歳頃かな。その頃って、まだ、そんなにボキャブラリーが豊富じゃない頃でしょ。
奈保子 はい。
先生 その頃、カミさんと「川の字」で三人で寝ていたんですけど、私だけ、毎晩、風呂上りにこっそり枕元でコーラ飲んでいたのね。そしたら、ナツホがいつもそれを羨ましそうな目で見て、ねだったりしていたんですよ。
奈保子 はあ。
先生 でも、幼児に炭酸はダメだって、カミさんは絶対飲ませないのね。それに、この子は寝ションベン垂れだったんで…(笑)。でも、あんまり、「ナッちゃんも、飲みたい、飲みたい」って必死に言うんで、カミさんがちょうど眠っていたから、「んじゃ、キャップ一杯だけだぞ」って、ペットボトルのキャップにほんのちょっぴりついであげたのね。
奈保子 ふんふん。
先生 そしたら、大切そうに、ちょびちょび飲んで、
「ハァー。おいしかったぁ。ごちそうさん」
って、両手を合わせて拝んだんですよ(笑)。
奈保子 アハハハ。可愛いですねぇ。
先生 そう。二つの子がやるから、カワイイの。
奈保子 ナッちゃんも、よほど感激したんでしょうね。
先生 だと思いますよ(笑)。その感激のしぶりが、こっちにまで伝わってきましたものね。
奈保子 それは、なかなかいい話ですね。でも、2歳では、それは覚えてないでしょうね。
先生 うん。記憶にすらないだろうね。でも、親はそういうシーンを沢山見せてもらってるんです。だから、言うんですよ。親は4歳くらいまでに、子どもからすでに「宝物」を前渡しされているんだ、ってね。
奈保子 いちばん可愛い盛りですものね。
先生 そうそう。でも、不思議なことに、本人には4歳以前の記憶というのは、まったくないものでしょ。
奈保子 そういえば、そうですね。なんだか、不思議な符合ですね。
先生 息子三人の幼少期の思い出は、彼ら本人自身よりも、親にとっての方が、大切な宝物で、愛しい思い出だと思いますよ。


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