
先日、中ノ沢温泉に
仕事で赴く途中、
土湯峠で濃霧に見舞われ、
一瞬ホワイトアウト状態になった。
短時間だったから
よかったものの、
これが数分も続いたら
方向喪失感に陥って
パニクッていたかもしれない。
それでも1分近く
まるで雲の中を飛行している
気分であった。

《ぼなりリゾートイン》への山道で
風情のある鳥居を見つけて、
しばし停車して写真に収めた。
かつて、鳥居を
被写体のテーマにして、
ずいぶんと撮り集めたことがある。

鳥居のそばに
可憐なホタルブクロが
頭(こうべ)を下げて
ひっそりと咲いていた。
雨が激しかったので、
車中からズームで撮ったら
輪郭がいささかボケてしまった。
ホタルブクロは
学名が「Campanula punctata」というが、
ラテン語の「カンパニュラ」は
「鐘」のことであろう。
同じキキョウ科で
品種改良した「カンパニュラ(つりがねそう)」
というのもある。

講演仕事を終えて
ひとっ風呂浴び、
五色沼に到着したら、
ちょうど『雨あがる』で、
いつもの瑠璃色の美しさを
眺むることが出来た。
関西方面の客人を
「オモテナシ」するのに、
幾程、このフクシマの至宝を
自慢気に披露したか。

曽原湖畔も好きな景観で、
高原の静謐さが
文学的心情を刺激するものがある。