[3月12日19:00.天候:晴 東京都大田区羽田空港 ザ・ロイヤルパークホテル東京羽田4F・レストラン&バー「TAILWIND」]
ウェイター:「失礼致します。デザートと食後のお飲み物でございます」
稲生はイリーナやマリアと夕食を取っていた。
高級ホテルのレストランであるが、和食の御膳なんかもあり、稲生はそれをチョイスしていた。
見習弟子で尚且つ門内唯一の日本人の為に、わざわざ住み込み先の屋敷で和食が出ることはなく、こういう外食の時に稲生は和食を狙っていた。
イリーナ:「いやあ、食べたねぇ……」
因みにイリーナだけコース料理を食べていた。
酒は白人2人がワインを頼んでいたのに対し、稲生だけビール。
あまり強い酒が飲めないのである。
マリア:「師匠が1番食べますね」
イリーナ:「この姿を保つのに、どういうわけだかお腹が空くのよ。ま、普段の食事と間食をしっかり取ればいいんだけどね」
マリア:「それだけ食べるから、眠くなるんですね?」
イリーナ:「むしろ、そういうことにしてくれる方が助かるわ」
年寄りだから眠くなりやすい、という正論はお断わりということだ。
イリーナ:「食事が終わったら、あとは自由時間よ。ターミナルの中を遊びに行ってもいいしね」
稲生:「それじゃ、そうしましょう」
イリーナ:「アタシゃ先に部屋に戻って休んでるから……」
マリア:「でしょうね」
イリーナ:「マリア、ミカエラかクラリスを貸してくれる?」
マリア:「Huh?」
イリーナ:「寝る前に、ボディケアとリフレクソロジーを受けておきたいわ」
マリア:「ああ、了解です」
イリーナ:「部屋はオートロックで、カードキーは部屋の電源スイッチに使っちゃうし……」
マリア:「?」
イリーナ:「マリア達が帰って来る頃にはアタシゃ爆睡してるから、部屋をノックしてもインターホン押してもらっても起きれないだろうね」
マリア:「それがどうしたというんですか?」
イリーナ:「つまりマリアは部屋に入れないから、必然的に勇太君の部屋に泊まることになるお」
稲生:「ええっ!?」
マリア:「……師匠の言うセリフじゃないですからね?てか師匠、自分のセリフに矛盾があることに気づいていらっしゃらない!?」
イリーナ:「え〜?」
マリア:「私の人形はあなたのマッサージの為に置いて行くんです。ということは、私はその人形に命令してドアを開けさせることができるんですが!?」
イリーナ:「Oh!No!」
マリア:「いくら師匠でも、私の人形の『操り糸』を切ることはできませんよ?」
イリーナ:「そ、そうだったぁ〜っ!」Orz
稲生:「ま、まあまあ、マリアさん。この辺で」
イリーナ:「そうそうこの辺で。きっとウォッカを飲み過ぎたんだわ」
マリア:「ワインしか飲んでないでしょ!」
上手い師弟漫才なのだった。
この場合、普通は弟子がボケ役で師匠がツッコミ役になるはずなのだが、イリーナ組においては逆だ。
マネージャー:「ありがとうございました。お支払いは今なさいますか?それとも翌日、フロントで?」
イリーナ:「宿泊客は割引になったりしない?」
プラチナカードを自由に使える立場のくせに、変な所で値切りに掛かる大魔道師。
マネージャー:「そうですねぇ……。あ、お客様の場合ですと、カード会社のサービスをご利用になられる方がお得でございますよ?」
イリーナ:「じゃ、そうして」
マネージャー:「よろしいですか?それでは一度、カードキーお預かり致します」
稲生:「何か、タダで飲み食いしちゃったみたいな気分になりますよね?」
マリア:「全部師匠のオゴリだから、私達にあっては事実だよ?」
稲生:「それもそうですね。確か、全部ホテルでの支払いをフロント払いにして大変なことになった映画がありましたね?」
マリア:「“ホーム・アローン2”?」
稲生:「ああ!そうかもしれませんね。まさかあの映画にトランプ大統領が出演していたとは……」
イリーナが食事代を明日のフロント払いにして、ここでの支払い手続きは終わる。
稲生:「先生、ごちそうさまでした!」
マリア:「ゴチソウサマデシタ」
イリーナ:「何でマリア、そこだけ素の日本語なの?……因みに“ホーム・アローン2”の撮影が行われた時、トランプ君はロケ先のプラザホテルのオーナーだったからカメオ出演したんだね」
マリア:「何気に師匠もエキストラで映ってたなんてオチじゃないですよね?」
[同日19:40.天候:晴 同ホテル客室フロア イリーナとマリアの部屋]
イリーナとマリアはスタンダードフロアのスーペリアツインに宿泊している。
これはハリウッドツインよりも広い部屋だ。
ハリウッドツインがツインベッドをくっつけて設置されているのに対し、スーペリアツインは少し離して設置されている。
稲生が宿泊しているシングルルームはシャワーブースしか無いが、こちらはちゃんとバスタブがある。
イリーナ:「ふう……さっぱりした」
妖艶な肢体にバスタオルだけ巻いた姿で、バスルームから出て来るイリーナ。
すぐにナイトウェアを着用する。
クラリス:「グランドマスター、準備ができましたら、マッサージを始めさせて頂きます」
イリーナ:「そうだね。マッサージはお風呂上がりが1番いいタイミングだからね。よろしく頼むわ」
イリーナは風呂上がりに水を飲んでからベッドに横になった。
クラリス:「それでは、まずはリフレクソロジーから始めさせて頂きます。まずは皮を傷めないように、クリームを塗らせて頂きます」
クラリスは慣れた手つきで、イリーナの足の裏にクリームを塗った。
クラリス:「それでは始めさせて頂きます」
イリーナ:「イタ気持ちいいくらいの強さで頼むよ?」
クラリス:「かしこまりました」
クラリスの足ツボマッサージが始まると、イリーナの水晶球が光った。
ライティングデスクの上に置いた水晶球である。
イリーナ:「ああ、大丈夫。そのまま出れるから。……はい、もっしー!?」
アナスタシア:「いい歳して子供みたいな出方するんじゃないの!」
イリーナ:「いい歳はお互い様じゃないのよ〜?で、なに?」
アナスタシア:「こちらは何とか東京都内でダンテ先生をお迎え出来そうよ?イリーナは?まさか、まだ屋敷にいるんじゃないでしょうね?」
イリーナ:「うんにゃ、こっちには優秀な弟子がおるでねぇ……もう羽田空港に前泊しているところだよ。幸い、素敵なホテルを予約できたものでねぇ……」
アナスタシア:「稲生勇太君の事かしら?マリアンナじゃ、怠け者だしねぇ……」
イリーナ:「言ってくれるねぇ。でも、真面目過ぎるのも問題だね。マリアはトラウマ、勇太君は奥手よ。おかげで、ちっとも恋愛が前に進みやしない。勇太君の場合、せっかくあの女戦士に筆おろし……あ、いでででで!!」
クラリス:「も、申し訳ございません!」
イリーナ:「い、いいのよ……。今のはどこの部分かしら?」
クラリス:「腰ですね」
イリーナ:「やっぱりねぇ……」
アナスタシア:「何してんの?」
イリーナ:「マリアの人形を借りて、お風呂上がりのマッサージを受けてるのさ。そっちはどうなの?弟子がマッサージしてくれたりしないの?」
アナスタシア:「弟子の1人に魔法機工の研究をしているのがいるんだけど、どうも危なっかしくて使えないのね」
水晶球にゴツい2足歩行のロボットみたいなのが映る。
イリーナ:「まるでバージョン4.0ロボットみたいなマッサージ機ねぇ……。普通に買った方が安いよ?」
アナスタシア:「今回のパーティーが終わったら、ロシアに帰る前に家電量販店に寄って行く」
イリーナ:「その方がいいよ。日本製は頑丈だからねぇ……」
あえて稲生とマリアの進展しないデートシーンではなく、上層部の会話を収録してみました。
見た目は若いのに、会話の内容が老婆……。
イリーナ:「あ?」
アナスタシア:「コラ」
すいません、何でもないです……。
ウェイター:「失礼致します。デザートと食後のお飲み物でございます」
稲生はイリーナやマリアと夕食を取っていた。
高級ホテルのレストランであるが、和食の御膳なんかもあり、稲生はそれをチョイスしていた。
見習弟子で尚且つ門内唯一の日本人の為に、わざわざ住み込み先の屋敷で和食が出ることはなく、こういう外食の時に稲生は和食を狙っていた。
イリーナ:「いやあ、食べたねぇ……」
因みにイリーナだけコース料理を食べていた。
酒は白人2人がワインを頼んでいたのに対し、稲生だけビール。
あまり強い酒が飲めないのである。
マリア:「師匠が1番食べますね」
イリーナ:「この姿を保つのに、どういうわけだかお腹が空くのよ。ま、普段の食事と間食をしっかり取ればいいんだけどね」
マリア:「それだけ食べるから、眠くなるんですね?」
イリーナ:「むしろ、そういうことにしてくれる方が助かるわ」
年寄りだから眠くなりやすい、という正論はお断わりということだ。
イリーナ:「食事が終わったら、あとは自由時間よ。ターミナルの中を遊びに行ってもいいしね」
稲生:「それじゃ、そうしましょう」
イリーナ:「アタシゃ先に部屋に戻って休んでるから……」
マリア:「でしょうね」
イリーナ:「マリア、ミカエラかクラリスを貸してくれる?」
マリア:「Huh?」
イリーナ:「寝る前に、ボディケアとリフレクソロジーを受けておきたいわ」
マリア:「ああ、了解です」
イリーナ:「部屋はオートロックで、カードキーは部屋の電源スイッチに使っちゃうし……」
マリア:「?」
イリーナ:「マリア達が帰って来る頃にはアタシゃ爆睡してるから、部屋をノックしてもインターホン押してもらっても起きれないだろうね」
マリア:「それがどうしたというんですか?」
イリーナ:「つまりマリアは部屋に入れないから、必然的に勇太君の部屋に泊まることになるお」
稲生:「ええっ!?」
マリア:「……師匠の言うセリフじゃないですからね?てか師匠、自分のセリフに矛盾があることに気づいていらっしゃらない!?」
イリーナ:「え〜?」
マリア:「私の人形はあなたのマッサージの為に置いて行くんです。ということは、私はその人形に命令してドアを開けさせることができるんですが!?」
イリーナ:「Oh!No!」
マリア:「いくら師匠でも、私の人形の『操り糸』を切ることはできませんよ?」
イリーナ:「そ、そうだったぁ〜っ!」Orz
稲生:「ま、まあまあ、マリアさん。この辺で」
イリーナ:「そうそうこの辺で。きっとウォッカを飲み過ぎたんだわ」
マリア:「ワインしか飲んでないでしょ!」
上手い師弟漫才なのだった。
この場合、普通は弟子がボケ役で師匠がツッコミ役になるはずなのだが、イリーナ組においては逆だ。
マネージャー:「ありがとうございました。お支払いは今なさいますか?それとも翌日、フロントで?」
イリーナ:「宿泊客は割引になったりしない?」
プラチナカードを自由に使える立場のくせに、変な所で値切りに掛かる大魔道師。
マネージャー:「そうですねぇ……。あ、お客様の場合ですと、カード会社のサービスをご利用になられる方がお得でございますよ?」
イリーナ:「じゃ、そうして」
マネージャー:「よろしいですか?それでは一度、カードキーお預かり致します」
稲生:「何か、タダで飲み食いしちゃったみたいな気分になりますよね?」
マリア:「全部師匠のオゴリだから、私達にあっては事実だよ?」
稲生:「それもそうですね。確か、全部ホテルでの支払いをフロント払いにして大変なことになった映画がありましたね?」
マリア:「“ホーム・アローン2”?」
稲生:「ああ!そうかもしれませんね。まさかあの映画にトランプ大統領が出演していたとは……」
イリーナが食事代を明日のフロント払いにして、ここでの支払い手続きは終わる。
稲生:「先生、ごちそうさまでした!」
マリア:「ゴチソウサマデシタ」
イリーナ:「何でマリア、そこだけ素の日本語なの?……因みに“ホーム・アローン2”の撮影が行われた時、トランプ君はロケ先のプラザホテルのオーナーだったからカメオ出演したんだね」
マリア:「何気に師匠もエキストラで映ってたなんてオチじゃないですよね?」
[同日19:40.天候:晴 同ホテル客室フロア イリーナとマリアの部屋]
イリーナとマリアはスタンダードフロアのスーペリアツインに宿泊している。
これはハリウッドツインよりも広い部屋だ。
ハリウッドツインがツインベッドをくっつけて設置されているのに対し、スーペリアツインは少し離して設置されている。
稲生が宿泊しているシングルルームはシャワーブースしか無いが、こちらはちゃんとバスタブがある。
イリーナ:「ふう……さっぱりした」
妖艶な肢体にバスタオルだけ巻いた姿で、バスルームから出て来るイリーナ。
すぐにナイトウェアを着用する。
クラリス:「グランドマスター、準備ができましたら、マッサージを始めさせて頂きます」
イリーナ:「そうだね。マッサージはお風呂上がりが1番いいタイミングだからね。よろしく頼むわ」
イリーナは風呂上がりに水を飲んでからベッドに横になった。
クラリス:「それでは、まずはリフレクソロジーから始めさせて頂きます。まずは皮を傷めないように、クリームを塗らせて頂きます」
クラリスは慣れた手つきで、イリーナの足の裏にクリームを塗った。
クラリス:「それでは始めさせて頂きます」
イリーナ:「イタ気持ちいいくらいの強さで頼むよ?」
クラリス:「かしこまりました」
クラリスの足ツボマッサージが始まると、イリーナの水晶球が光った。
ライティングデスクの上に置いた水晶球である。
イリーナ:「ああ、大丈夫。そのまま出れるから。……はい、もっしー!?」
アナスタシア:「いい歳して子供みたいな出方するんじゃないの!」
イリーナ:「いい歳はお互い様じゃないのよ〜?で、なに?」
アナスタシア:「こちらは何とか東京都内でダンテ先生をお迎え出来そうよ?イリーナは?まさか、まだ屋敷にいるんじゃないでしょうね?」
イリーナ:「うんにゃ、こっちには優秀な弟子がおるでねぇ……もう羽田空港に前泊しているところだよ。幸い、素敵なホテルを予約できたものでねぇ……」
アナスタシア:「稲生勇太君の事かしら?マリアンナじゃ、怠け者だしねぇ……」
イリーナ:「言ってくれるねぇ。でも、真面目過ぎるのも問題だね。マリアはトラウマ、勇太君は奥手よ。おかげで、ちっとも恋愛が前に進みやしない。勇太君の場合、せっかくあの女戦士に筆おろし……あ、いでででで!!」
クラリス:「も、申し訳ございません!」
イリーナ:「い、いいのよ……。今のはどこの部分かしら?」
クラリス:「腰ですね」
イリーナ:「やっぱりねぇ……」
アナスタシア:「何してんの?」
イリーナ:「マリアの人形を借りて、お風呂上がりのマッサージを受けてるのさ。そっちはどうなの?弟子がマッサージしてくれたりしないの?」
アナスタシア:「弟子の1人に魔法機工の研究をしているのがいるんだけど、どうも危なっかしくて使えないのね」
水晶球にゴツい2足歩行のロボットみたいなのが映る。
イリーナ:「まるでバージョン4.0ロボットみたいなマッサージ機ねぇ……。普通に買った方が安いよ?」
アナスタシア:「今回のパーティーが終わったら、ロシアに帰る前に家電量販店に寄って行く」
イリーナ:「その方がいいよ。日本製は頑丈だからねぇ……」
あえて稲生とマリアの
見た目は若いのに、会話の内容が老婆……。
イリーナ:「あ?」
アナスタシア:「コラ」
すいません、何でもないです……。