マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

カポディモンテ美術館展

2010年08月28日 | 美術館・展覧会
上野の国立西洋美術館で開催中のカポディモンテ美術館展に行ってきました。
今回展示される作品は、イタリアを代表する美術館の一つであるカポディモンテ美術館の名品で、ファルネーゼ家が収集したルネサンス及びバロック美術の作品と、ブルボン家が収集したナポリ・バロック美術の作品だそうです。

実は今回の目玉ともいえる「アンテア」のポスターを見て初めて「カポディモンテ美術館」なるものの存在を知った私。
その後「世界ふしぎ発見」のナポリ特集で、この美術館はもともとナポリの貴族ブルボン家が収集した美術品コレクションを収蔵・展示することを目的の一つとして建てられた宮殿だったということを知り、その建物の壮麗さに目を見張りました。

まず入ってすぐの所にあったのが、ベルナルティーノ・ルイーニの「聖母子」

慈愛に満ちた笑みをたたえた聖母マリアのなんて美しいこと!
私の大好きな中宮寺の如意輪観音にどことなく似ているような気がします。


こちらがパルミジャニーノの「貴婦人の肖像 アンテア」 
娼婦とも花嫁とも云われていますが、どちらにしても凛とした高貴な雰囲気を漂わせた美しい女性だったことは確かなようです。


楽しみにしてたアンテアよりも衝撃を受けたのがグイド・レーニの「アタランテとヒッポメネス」
左の女性は足の早いのが自慢で自分と競争して負けた相手を殺してしまうという恐ろしい女。
右側の青年はビーナスから貰った3つの金の林檎をわざと落として女の気を惹きその隙に出し抜こうという作戦。隠れている方の手にはもう一つ林檎を持っているらしいです。
とても大きくて動きのあるドラマチックな作品で思わず見入ってしまいました。色使いもとても綺麗でした。





やはりこの時代の絵画は聖書に題材を取っているものが多いですね。
「ユディト」「聖アガタ」「マグダラのマリア」などは複数の作品がありました。
結構酷い感じの絵が多くてちょっと引きました。

ユディトが侍女と敵陣に潜入して敵の武将を篭絡して酔っ払って寝たすきに首を切り落とす・・・なんとも凄まじい!女の情念を感じます。

酷暑のせいか?思ったより空いていて、作品数もそれ程多くないのでゆったり観られたのでとてもよかったです。
ナポリのカポディモンテ美術館にも是非行ってみたいものです。