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雲南の豆腐②

2010-03-14 14:09:34 | Weblog
写真は、以下の記事で紹介した豆腐屋のお兄ちゃんのお兄ちゃん。一緒に豆腐を作っているのは、おそらくお母さんらしい。

【豆腐屋のお兄ちゃん】
 二〇〇四年に一年、通いつめた「華昌農貿市場」の一隅に、朝早くから白い湯気を立てる、味自慢の豆腐屋があった。畳一枚分ぐらいの棚の上には常時10種類以上の豆腐がずらり。それを早朝から夕暮れまで、中学生ぐらいで、足は不自由だが、じつに誇りに満ちたハンサム顔のお兄ちゃんが、テキパキと売りさばいていた。

 早朝はできたての、ふっくらとした豆の甘みの感じられる豆乳や出来たてアツアツ豆腐を買う人々の人だかり。昼前からは、日本の木綿豆腐よりもはるかに水分が少なく、しっかりとしたコシが感じられる四角や鏡餅大の丸い豆腐、一手間かけた豆腐の数々を次々と買い求めていく客でごったがえす。

 いずれも、ケーキのように数キロの固まりで台の上に直接置かれた豆腐をキロ単位、最低でも五〇〇グラムから切り分けてもらい、薄いビニールに入れて買う。(うっかり日本の感覚で3~4百グラムぐらいと指定してみたが、鼻であしらわれてしまった。聞くところでは沖縄の市場も豆腐はキロ単位らしい)

 豆乳も同じくキロ単位で薄いビニールに入れてもらうので、家に帰り着くまで切れやしないかとドキドキだった。最近では昆明でも「ビニール袋撲滅運動」で、自前の袋を推奨しているが、そう簡単に浸透するものではない。

 昼過ぎのお昼寝が終わる時刻からは、翌朝の仕込み用の豆を近くの農村から出稼ぎにきた若者数名で、丁寧に一粒一粒、黄色い大豆をより分け始める。女性らは、出来たてのあらゆる豆腐を油で揚げたり、中華鍋に茶や調味料の湯を張って、せんべいのような薄い豆腐を煮ては、ザルの上に並べて、日に干したり、と豆腐の2次加工に忙しい。これらがすべて3畳ほどの狭い店舗スペースおよび、その前の通路に無造作に練炭を置いて、作業されるのだから、場所効率のよさは空恐ろしいほど。

 こうして夕暮れになると一手間かけた豆腐を中心に売りさばかれ、夜七時に閉店していた。               (つづく)

コメント
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