
墓地を通る道路。それまでがまったく人がいなかったので、驚く。

墓地では蝋燭が焚かれるので、火事を警戒して消防自動車も待機していた。
【突然の墓参風景】
次の場所への移動のため、ヤシの木がまじった自然林やアップダウンの多い森の中を通っていると、突然、開けた空間に出ました。たくさんの車が路駐され、大勢の地元の人でにぎわっています。
「なにかの祭り?」
近づくと、道路わきには露店が所狭しと並んでいます。
車を止めるようにお願いして、歩いてみると、その雰囲気の明るいこと!
みると、道路の両脇の原っぱには立派な土葬墓が思い思いの場所に建てられていました。
墓の横にパラソルを設置し、白い机といすを置いて、コーラやポテトチップなどのスナック菓子をどっさり置いて談笑しているグループ。
ピカピカの白い大理石の土葬墓にきれいな花を盛り付けて、その下に蝋燭を立て、その人に触っているかのように大理石の墓をなでながら、家族で語り合う家族。

他にも墓の上が大きくてテーブルのようなのでその上で子供たちが乗って、周りにいるおばあさんやおばさん、おじさんと楽し気に語っていたり。
もちろん大理石以外にもコンクリートや白いタイルを貼ったもの、コンクリートブロックの小ぶりなものもあります。服装は日本のようにかっちりとした黒の喪服で統一、というのとは対極の、ラフなTシャツにジーンズ、帽子はキャップ、という具合。いずれも墓参りに日本では見られない光景です。
その恰好で、大きくて四角い石棺を明るい笑顔で掃除している風景はときに大理石の白さも相まって、まばゆいばかりで、ほっこりとした安らぎに満ちていました。そこに飾られた南国の花々の華やかさが、かえって厳かに感じられるのが不思議でした。

掲げられた看板をみるとバトゥアンというボホール島の中心よりやや南西部にある森の中を切り開いた分譲墓地なのですが、整然とした区角割に見えないのは、区割りが渦巻き型をしているからのようです。日本だと定規で引いたようにまっすぐなので、だいぶ雰囲気が違います。
墓は屋根がある講堂のような立派なものから、吹き曝しの場所でコンクリートで四角く埋め込んだもの、またはマンション構造のようにコンクリートブロックで何重にも重ねた位牌堂のように見えるものまで様々。
ただ白くて長い蝋燭をともし、きれいなお花を形よく飾り、飲み物や食べ物を置いているのは共通しています。日本なら墓の前に置くものが花などは横たわった墓の上に飾りつけ、人までもが乗っているところが大きく違うところです。
(つづく)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます