夕暮れのセビリア大聖堂(左)とヒラルダの塔(右)。
【アンダルシア、歴史の重層の上に立つ】
もう一つ、印象に残ったのは大聖堂の北側にそびえたつヒラルダの塔。高さ97メートルある塔の内部を徒歩で上がることができるのですが、それが階段ではなく石のスロープなのです。「登りやすい」と感想を持たれる方もおられるようですが、私にとってはつるつるして、たまに足くびの負担を和らげたいと思っても、ずっと同じ角度の勾配に足を置くことになり「これはまいった」となりました。
ところが、世界各地から来られたお年を召した方々も頑張って登っているのでギブアップもできず。たまに降りてくる人から「がんばってね! まだまだあるわよ」と英語で声を掛けられ、途中、景色を見る余裕はありませんでした。ここがスロープなのは、騎馬で駆ける場合を想定してあるためなのだそう。塔の中を騎馬、私にとっては規格外の発想です。
塔はそもそもローマ人が築いた土台を利用してムーア人がイスラムの礼拝を呼びかけるミナレット(尖塔)として12世紀末に建設したもの。彼らはよほど騎馬技術にすぐれていたのでしょう。その後、1620年にその上にキリスト教の鐘楼をかぶせて、現在の塔が完成しました。アンダルシアの複雑な歴史を感じます。
そうそう、最上階からはセビリアの街が一望できます。
※次週の更新はお休みします。酷暑の夏となっております。少し生活のペースを落として夏を乗り越えたいです。
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