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昆明の醤油6

2009-06-14 22:17:06 | Weblog
写真は昆明の市場の豆腐店にて。板豆腐と呼ばれる圧縮された板状の豆腐を真四角に切り、たっぷりの醤油でさっと煮る「紅焼板豆腐」を作っているところ。少し編の上で干してから店頭に並べていた。

【まだまだ続くか 行列は】
 昆明の醤油は持参した容器に詰めてもらう量り売りから、枕タイプと呼ばれる、いまにも穴があいてしみ出てきそうな、簡単なビニール袋詰め、オーソドックスなビン詰め、はたまた、1.5リットル入りペプシコーラ用のペットボトルを転用したとしか思えない、無地のペットボトル詰め拓東醤油など様々です。ペットボトル詰めは大抵、特売品コーナーに並んでいました。

 いまや香港、北京、広東からばかりか世界中から押し寄せる醤油市場。日持ちするため、地元の醤油会社は大変かと思いきや、拓東醤油を製造する昆明醸造工場長の楊広福さんは
「あくまでも市場は雲南省内です。省外と省内の味わいに差があるため、その市場は容易には崩されないでしょう」と地元新聞で語っています。宣伝力と包装技術が劣る地元ブランドの最後の頼みは、昆明っこの食の記憶、というわけです。

 とはいえ、実質、資本主義の世の中では、そのスタンスではやっていけません。なんとか売り上げを伸ばそうと、四川の漬け物市場に食い込もうとするなど、様々な取り組みを行ってはいるのです。成功にはまだまだ遠い道のようですが・・。
この製造側が一番問題にしているのが、じつは醤油の量り売りです。今や米線など市場になじみの量り売り商品は品質管理が難しいため、強制的に袋詰めなどの包装を政府は強制しています。新聞などを使ってキャンペーンも張ってはいるのですが、成果は今ひとつ。

 数十年来、大バケツを持って、自転車にまたがり、拓東路の行列に並ぶ李ばあさんは、
「子供たちはスーパーで袋入りの醤油を買えばいい、というのだけれど、袋入りじゃあ、あの拓東路に流れる馥郁たる薫りがないような気がするんですよ。水を加えてないとも限らないし、必ずしも包装されたものが量り売りより便利ともいえないしね」
ときっぱり。まずは品質への信頼が必要だというわけです。

 実際、1999年にEUは、中国醤油から発癌物質の3-MCPD含有量の基準超過を理由に輸入を停止。その後、信頼回復に向けて、国が審査してお墨付きを与えるQS標示を付けるなど、政府は必死に対策をとってはいます。

 ですが、中国ではどの食材にもいえることですが、いまだ得体の知れないものから醤油風のものをつくる偽ブランドが横行していて、取り締まりが追いついていない現実があります。そういう風潮が続く限り、品質の保証された直売所の行列は、まだまだ続くことでしょう。   (この章おわり)




6月27日の雲南懇話会ホームページhttp://www.yunnan-k.jp/yunnan-k/
参加申し込み;前田栄三(e3maeda*ab.auone-net.jp)までどうぞ。

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