写真は漢方薬の「天麻」。(2008年撮影)。めまいや神経を静めたり(メニエール病など)、冷え性を治す薬として処方される。蘭科オニノヤガラ(鬼の矢柄)の根茎を蒸して乾燥させたもの。
写真は雲南の老舗デパートで売られていたもの。「第一級野冬麻」とラベルに書かれている。意味は最高級品の野生で冬に採れた天麻。天麻は冬から春にかけて採取でき、とくに春の方が採取量は増えるが、冬に採れたもののほうが薬効は高いといわれる。四川、陝西省などでも採取されるが雲南産が最高とされ、なかでも麗江や昭通産のものがより上質なものとして取引されている。これはヤハシの産地ともぴったり重なる。
【低成長児の助けに】
人間はカルシウムだけではカルシウムを体内に取り込みにくいことはよく知られていますが、ここでストロンチウムを摂取すればぐんと取り込みやすくなるそうです。とくに胎児や新生児にはよく吸収されます。マグネシウムも同時にとるとより、吸収率が高まるそうです。
そのため母親にストロンチウムが不足すると、歯が十分に育たないう歯になりやすく、骨の成長にも関連があるのでは、と言われています。胆嚢炎のある人はストロンチウムの吸収がうまくできず、その子供は、う歯になる率が高くなるそうです。これ、我が家にぴったりと当てはまります。ストロンチウム、いままで知らなかったのですが、重要なのだなあと。
ちょっと脱線しましたが、ヤハシはさまざまな微量元素が豊富な植物で、おそらく蜜も例外ではない、とはいえるでしょう。
我が家は雲南では楚雄州で採取された百花蜜もよく食べていたのですが、この蜜の風味がやたらと漢方臭かったのも、特殊な土壌環境にあったためでしょう。なかでもヤハシは冬場のみに咲く花。百花蜜とはならず、ヤハシを主に蜜をあつめるのは簡単です。ちなみに娘は今でも雲南のハチミツを至高の味と認識しています。三つ子の魂とはすごいものです。
ちなみに今までも取り上げたように雲南は漢方薬の一大産地です。かつて取り上げた三七(田七)や冬虫夏草など様々。
ヒマラヤ山系の大地殻変動で地底から盛り上がった土壌からは様々な鉱物が容易に採掘できます。明清時期から塩や銅、銀、スズの産地としても栄えた地なのです。ここで育つ植物には、ほかでは見られない薬効成分がふくまれていても不思議ではないでしょう。もちろん、日本人としては食べ慣れない物質も多量に含まれているわけですから、過剰摂取は禁物、と考えます。
それにしても雲南省は文革前から省の稼ぎ頭にヤハシ蜜に目を付けている割にはちゃんとした成分分析が発表されていないのは、気になるところです。
参考文献
キャプション
天麻に関してはHONTONANO(http://hontonano.jp/hienai/500nDrugs_078.html)ほか。東京大学付属日光植物園(http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/nikko-old/5_jokyo/today's_flowers/2010_Jul_1st.html)に天麻がある。光合成を行わず、真菌に寄生して生える様は、異様だ。
本文
(2) 吉垣茂、中村純、内田治、永島俊夫、安藤達彦「各種ハチミツの微量元素分析による採蜜年度の判定」『日本健康医学会雑誌』(第22巻2号、2012年、日本健康医学会)
(3) 張鴿、胥保華「蜜蜂的鉱物質栄養」『動物栄養学報』(2012年第24巻11月号、中国畜牧獣医学会;動物営養学分会主編)
(つづく)
写真は雲南の老舗デパートで売られていたもの。「第一級野冬麻」とラベルに書かれている。意味は最高級品の野生で冬に採れた天麻。天麻は冬から春にかけて採取でき、とくに春の方が採取量は増えるが、冬に採れたもののほうが薬効は高いといわれる。四川、陝西省などでも採取されるが雲南産が最高とされ、なかでも麗江や昭通産のものがより上質なものとして取引されている。これはヤハシの産地ともぴったり重なる。
【低成長児の助けに】
人間はカルシウムだけではカルシウムを体内に取り込みにくいことはよく知られていますが、ここでストロンチウムを摂取すればぐんと取り込みやすくなるそうです。とくに胎児や新生児にはよく吸収されます。マグネシウムも同時にとるとより、吸収率が高まるそうです。
そのため母親にストロンチウムが不足すると、歯が十分に育たないう歯になりやすく、骨の成長にも関連があるのでは、と言われています。胆嚢炎のある人はストロンチウムの吸収がうまくできず、その子供は、う歯になる率が高くなるそうです。これ、我が家にぴったりと当てはまります。ストロンチウム、いままで知らなかったのですが、重要なのだなあと。
ちょっと脱線しましたが、ヤハシはさまざまな微量元素が豊富な植物で、おそらく蜜も例外ではない、とはいえるでしょう。
我が家は雲南では楚雄州で採取された百花蜜もよく食べていたのですが、この蜜の風味がやたらと漢方臭かったのも、特殊な土壌環境にあったためでしょう。なかでもヤハシは冬場のみに咲く花。百花蜜とはならず、ヤハシを主に蜜をあつめるのは簡単です。ちなみに娘は今でも雲南のハチミツを至高の味と認識しています。三つ子の魂とはすごいものです。
ちなみに今までも取り上げたように雲南は漢方薬の一大産地です。かつて取り上げた三七(田七)や冬虫夏草など様々。
ヒマラヤ山系の大地殻変動で地底から盛り上がった土壌からは様々な鉱物が容易に採掘できます。明清時期から塩や銅、銀、スズの産地としても栄えた地なのです。ここで育つ植物には、ほかでは見られない薬効成分がふくまれていても不思議ではないでしょう。もちろん、日本人としては食べ慣れない物質も多量に含まれているわけですから、過剰摂取は禁物、と考えます。
それにしても雲南省は文革前から省の稼ぎ頭にヤハシ蜜に目を付けている割にはちゃんとした成分分析が発表されていないのは、気になるところです。
参考文献
キャプション
天麻に関してはHONTONANO(http://hontonano.jp/hienai/500nDrugs_078.html)ほか。東京大学付属日光植物園(http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/nikko-old/5_jokyo/today's_flowers/2010_Jul_1st.html)に天麻がある。光合成を行わず、真菌に寄生して生える様は、異様だ。
本文
(2) 吉垣茂、中村純、内田治、永島俊夫、安藤達彦「各種ハチミツの微量元素分析による採蜜年度の判定」『日本健康医学会雑誌』(第22巻2号、2012年、日本健康医学会)
(3) 張鴿、胥保華「蜜蜂的鉱物質栄養」『動物栄養学報』(2012年第24巻11月号、中国畜牧獣医学会;動物営養学分会主編)
(つづく)
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