石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:石油篇8 消費量(1)

2014-07-01 | その他

 

(注)本レポート1~18回は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0318BpOil2014.pdf

 

 

3.世界の石油消費量
(世界の石油消費の3分の1はアジア・大洋州!)
(1) 地域別消費量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-3-G01.pdf 参照)
 2013年の世界の年間石油消費量は日量9,133万バレル(以下B/D)であった。地域別でみるとアジア・大洋州が3,047万B/Dと最も多く全体の33%を占め、次に多いのが北米の2,329万B/D(26%)であった。2007年以降はアジア・大洋州が北米を上回る最大の消費地域となっており、この傾向は今後定着するものと思われる。これら二つの地域に続くのが欧州・ユーラシア1,865万B/D(20%)であり、これら3地域で世界の石油の8割を消費している。残りの中東(9%)、中南米(8%)及びアフリカ(4%)の3地域を合計しても2割に過ぎず、石油の消費は先進地域(北米、欧州・ユーラシア)及び新興工業国が多いアジア・大洋州に偏っている。

 各地域の消費量と生産量(前回参照)を比較すると、生産量では世界全体の33%を占めている中東が消費量ではわずか9%であり、アフリカも生産量シェア10%に対して消費量シェアは4%に過ぎない。これに対してアジア・大洋州は生産量シェア10%に対して消費量シェアは33%、また北米のそれは19%(生産量)、26%(消費量)といずれも大幅な消費超過となっている。欧州・ユーラシアは生産量も消費量も20%で均衡している。このことからマクロ的に見て、世界の石油は中東及びアフリカ地域からアジア・大洋州及び北米地域に流れていると言えよう。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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