(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・ロシア、トルコ両大統領、黒海ソチで会談。シリア内戦問題を協議。
・エジプト大統領、サリバン米安全保障アドバイザーとリビア問題など協議。
・サウジ皇太子、サリバン米安全保障アドバイザーとイエメン停戦で協議。
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・ロシア、トルコ両大統領、黒海ソチで会談。シリア内戦問題を協議。
・エジプト大統領、サリバン米安全保障アドバイザーとリビア問題など協議。
・サウジ皇太子、サリバン米安全保障アドバイザーとイエメン停戦で協議。
(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0544WbDoingBusiness.pdf
不正介入の背景にあるもの
Doing Businessは以下の10項目について順位付けを行い、それら10項目の順位の加重平均によって総合順位(Ease of Doing Business)が決められている。
(1)Starting a Business (起業)、(2)Dealing with Construction Permits(建設許可)、(3)Getting Electricity (電力事情)、(4)Registering Property(登記)、(5)Getting Credit(信用取得)、(6)Protecting Investors(投資家保護)、(7)Paying Taxes(徴税)、(8)Trading Across Borders(通関)、(9)Enforcing Contracts(契約強制力)、(10)Resolving Insolvency(清算)
各項目には客観的定量的な統計データが多く使用されているが、定性的な評価項目も少なくない。このような定性的評価について190カ国をどのように位置づけるかは評価者の主観に負うところが大きい。また一次評価に対して上司の二次、三次評価者が介入する余地も少なくない。これは今回の世界銀行のケースに限らず、世界で行われているランク付けで避けて通れないことである。
世界銀行の場合、さらに評価対象国の介入と言う厄介な問題がある。今回の場合中国及びサウジアラビアは世銀の有力な出資者であり、彼らの意向を無視することができない。実際中国の場合は出資問題をちらつかせながらトップのゲオルギワエ最高責任者(現IMF専務理事)に見直しを迫り、ゲオルギワエが部下に修正を強要したとされる。世銀トップが経済大国中国に忖度し、世銀内部には上司の命令に逆らえない組織風土があったと言えよう。(注、ゲオルギワ女史は疑惑を否定する声明を出している。[1]) サウジアラビアのケースについても大同小異と思われる。
さらに付言すれば中国とサウジアラビアは体制は異なるものの、いずれもトップが絶対的な権限を持った強権国家である。また中国は米国に追い付け追い越せとばかり経済強国への道をばく進している。サウジアラビアもムハンマド皇太子がVision2030の旗を振り、地域大国を目指している。両国とも世界における自国のランクに極めて敏感である。今回の世界銀行のケースでは、それぞれの外交官または担当経済官僚が、指導者(習近平主席あるいはムハンマド皇太子)の直接の指示に従うか、さもなくば指導者の意向を忖度して世界銀行に無理強いをしたのであろう。
いずれにしても今回と同等のことは世界競争力指数、世界男女格差指数[2](共に世界経済フォーラム)などあらゆるランク付けで起こりうる問題である。例えばS&P、Moody‘sなどが行っているソブリン格付けは国債発行金利を左右するだけに、各国から常にクレームの対象になっている。但し格付け会社にとっては疑惑を招くような格付けは当該企業そのものの存亡にかかわる。このため各社は毅然とした態度で対処しており、それ故にこそソブリン格付けは信頼されていると言うべきであろう。
以上
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荒葉一也
[1] IMF chief says she 'did not pressure anyone' while at World Bank
http://jordantimes.com/news/business/imf-chief-says-she-did-not-pressure-anyone-while-world-bank
2021/9/25 Jordan Times
[2] WEFの「世界男女格差指数2021年版」の著者解説レポートの末尾に評価項目指数の片寄りについて指摘したので参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/0529WorldRank5.pdf