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http://mylibrary.maeda1.jp/0546ImfWeoOct2021.pdf
4.世界および主要地域・国のGDP成長率の推移(2018~2022年)
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-11.pdf 参照)
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-05.pdf 参照)
(大きく落ち込んだ2020年!)
(1)世界および主要経済圏
世界全体の成長率は2018年、2019年と3%前後で推移していたが、2020年は▲3.1%に急落した。今年は昨年の反動で5.9%の高い成長を達成する見込みであり、2022年の成長率は4.9%と予測されている。
経済圏別に見るとG7の成長率は2019年まで2%前後の成長を続けたのち、昨年は世界平均を超える▲4.9%のマイナス成長となり、今年は5.3%に回復、来年も4.7%のプラス成長が予測されている。EUは2018年の成長率が2.3%であったが、2020年は新型コロナウィルスの影響で世界平均を大幅に下回る▲5.9%の大幅な落ち込みであった。今年及び来年は5.1%、4.4%のプラス成長になる見込みである。
ASEAN-5か国は他の経済圏に比べ高い成長率を達成している。同地域は2018年及び19年は世界平均を上回る5%前後の成長率を維持しており、2020年は他の地域と同様コロナウィルスの影響を免れないもののG7あるいはEUの落ち込み幅より低い▲3.4%のマイナス成長であった。そして今年は2.9%、来年は5.8%のプラス成長が見込まれている。また中東・中央アジア地域の成長率は2018年 2.2%、2019年 1.5%の低い成長率にとどまっており、昨年の▲2.8%のマイナス成長を経て今年及び来年は続けて4.1%のプラス成長が予測されている。
(5年間を通じてプラス成長を達成する中国!)
(2)世界と中東の主要国
日本の2018年、19年の成長率は0.6%及び0.0%の低い成長率にとどまった。2020年は世界平均を上回る▲4.6%の大幅なマイナス成長になり、2021年、22年には一転して2.4%及び3.2%の成長が予測されている。2022年の予測値は世界平均の4.9%あるいはG7の4.7%に比べて低いが、過去の実績を勘案するとなおハードルは高そうである。
米国の経済は先進国の中では好調であり、2020年は▲3.4%に落ち込んでいるが、今年は6.0%、来年は5.2%の成長が見込まれている。
中国は2018年以前から世界でも飛びぬけた高い成長を誇っており、ほぼすべての国がマイナス成長に陥った2020年もGDP成長率はプラス2.3%であり、2018年以降連続してプラス成長を続ける数少ない国である。因みに同国のGDP成長率は6.8%(‘18年)→6.0%(‘19年)→2.3%(‘20年)→8.0%(‘21年)→5.6%(‘22年)である。
近年中国と高度成長を競い合っているインドの2018年以降2022年までのGDP成長率は、6.5%→4.0%→▲7.3%→9.5%→8.5%である。昨年(2020年)は世界平均を大幅に上回るマイナス成長であったが、今年、来年と中国を上回る成長が予測されている。
中東の主要国を見ると、GDPが世界19位、中東で最大のサウジアラビアは2018年には2.4%と世界平均を下回る成長率であった。その後2019年は0.3%に低下、さらに2020年には▲4.1%のマイナス成長に陥っている。今年はプラス2.8%に回復、来年も4.8%の成長が予測されているが、この5年間の成長率はいずれも世界平均を下回っている。
イラン、サウジアラビアに次ぐ中東のGDP大国トルコはコロナ禍に見舞われほとんどの国がマイナス成長に陥った昨年もプラス成長(1.8%)を達成、中国とともに5年間を通じてプラス成長を維持している。イランのGDP成長率は米国の経済制裁の影響を受け、18年▲6.0%、19年▲6.8%と大幅なマイナス成長であったが、昨年以降来年まではプラス成長である。エジプトの成長率の推移は5.3%(18年)→5.6%(19年)→3.6%(20年)→3.3%(21年)→5.2%(22年)であり安定したプラス成長が続くと見込まれている。
(完)
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