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http://mylibrary.maeda1.jp/0557OilMajor2021.pdf
IV. 8カ年(2014-2021年) 業績推移の比較
ここでは2014年から2021年までの過去8年間の5社の業績の推移を比較検討する。因みに各社業績と密接に関係している原油価格(Brent)の動きを見ると、2014年は年間平均価格がほぼ100ドルであった。しかしその後2015年は一転して50ドル前半まで下落、さらに2016年は44ドルであった。その後2018年には70ドル強まで回復したが、2019年は再び63ドルに下落、2020年はコロナ禍の影響に直撃され42ドルに落ち込んだ。そして2021年は2018年の水準まで戻っている[1]。このように原油価格は過去8年間に激しく変動しており、5社の売上高及び利益は原油価格に大きく左右されている。
1.売上高[2]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-20.pdf参照)
2014年の売上高トップはShellの4,211億ドルであり、ExxonMobilが僅差の4,119億ドルで続いている。売上高第3位はBP(3,536億ドル)で、TotalEnergiesとChevronはそれぞれ2,361億ドル及び2,120億ドルであった。2015年、16年は原油価格が急落し(上記参照)、各社とも2016年の売上高は2014年の半分近くに下落した。
2017年、18年は一転して原油価格の上昇により売上高は再び上昇した。2018年の売上高はShellが3,884億ドルで2,3位のBP(2,988億ドル)及びExxonMobil(2,902億ドル)を大きく引き離した。2020年は各社とも売上高が急落、Shellは前年比で半減し、過去8年間では最も少ない1,805億ドルであり、2014年の4割強にとどまっている。BPも前年比6割減であった。
2021年はExxonMobilが2,856億ドルで5社のトップとなった。Shell及びTotalEnergiesが2千億ドル台で続き、bp及びChevronが1,600億ドル前後であった。bpの売上高は2014年の半分にとどまっているが、その他の4社は2014年の7~9割まで回復し、ほぼ2015年の水準である。
(続く)
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前田 高行
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[1] 米EIA資料による。https://www.eia.gov/opendata/qb.php?sdid=PET.RBRTE.A
[2] 「売上高」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Total revenues and other income
Shell: Total revenue and other income
bp: Total revenue and other income
TotalEnergies: Sales
Chevron: Sales and other operating revenues