石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ロシアの天然ガスはどこに流れ、エネルギー価格はどうなるのか?(中)

2022-03-07 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

0556GasFromRussia.pdf (maeda1.jp)

 

(域内で4割を調達、ロシアに3分の1を依存!)

3.西欧諸国の天然ガス輸入相手国

 ロシアの西欧向け輸出に対し、一方、西欧諸国の輸入動向(2020年)は以下のとおりである。

(1)パイプラインによる輸入(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-2-G04.pdf 参照)

 オランダでは古くから天然ガスを産出しており、また最近ではノルウェーの海底油田から石油・ガスが産出されている。かつてはこれらの天然ガスで域内の需要を全量賄っていたが、消費拡大により域外のロシア或いは北アフリカ(アルジェリア及びリビア)からパイプラインで不足量を調達しているのが現状である。

 2020年のパイプラインによる輸入量は欧州域内産出分が53%を占めているが、これに次いでロシアからの輸入が37%に達しておりロシアの存在感は大きい。欧州域内、ロシアに次ぐ供給先はアルジェリアの5%である。

 

(2) LNGによる輸入(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-1-G05.pdf参照)

 欧州のLNG輸入量は1,148億㎥であり、最も多いカタールからの輸入が全体の21%を占め、次いで米国のシェアが18%である。ロシアはこれら2カ国に次ぐ第3位でそのシェアは12%である。さらにナイジェリア(10%)、アルジェリア(10%)と続き、その他各国が29%を占めている。ロシアのLNGシェア(12%)はパイプラインのシェア(37%)に比べて小さい。

 

(3) パイプラインとLNG合計輸入量(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-3-G07.pdf参照)

 パイプラインとLNGを合計した輸入量は5,619億㎥であるが、このうち欧州域内が41%を占めている。域外ではロシアが32%であり、カタールは5%、米国4%である。域外ではロシアのシェアが際立って大きい。

 

(続く)

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行        〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする