III. 過去2年間の四半期業績推移(続き)
(原油価格と見事に連動するExxonMobilの売上高!)
2.売上高の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)
2020年10-12月期から今期(2022年7-9月期)までの売上高の推移を見ると、アラムコはIOC5社を常に大きくリードしている。同社の2020年10-12月期の売上高は716億ドルであったが、2021年7-9月期には1千億ドルを突破している。その後も原油価格と連動するように毎期売上高は膨れ、前期(2022年4-6月期)は過去8四半期では最も多い1,729億ドルに達している。今期は原油価格の下落(Brent;$114→$106)で売上高は減少に転じたが、それでも2020年10-12月期の2.3倍に増加している。
IOC5社の中では2021年10-12月期を除きExxonMobilが常に売上高トップである。同社の売上高は2020年10-12月期の465億ドルから今期は2.4倍の1,121億ドルに増加している。対前期比増加率は27.1%(2021年1-3月期)→14.5%(4-6月期)→8.9%(7-9月期)→15.2%(10-12月期)→6.5%(2022年1-3月期)→27.8%(2022年4-6月期)→▲3.1%(7-9月期)であるが、これはBrent原油の増減率38.4%→12.8%→6.6%→8.5%→28.2%→11.4%→▲4.7%と極めて近似しており、同社はアラムコ及びIOCsの中で最もセンシティビティが高いことがわかる。
上記以外の4社の売上高の推移は以下のとおりである。(単位:億ドル)
2020年 2021年 2022年
10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9
Shell 440 557 605 600 853 842 1,001 957
TotalEnergies 379 437 470 547 603 686 748 690
Chevron 248 311 361 426 459 523 654 635
Bp 302 365 376 379 522 512 695 578
TotalEnergiesとChevronもExxonMobilとほぼ同様の傾向が見られる。一方、Shellとbpは毎期の売り上げ変動幅が大きく、原油価格以外の要素(例えば天然ガスの時価取引、ロシア合弁事業の政治的要因等)に左右されているものと思われる。
(続く)
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