2. 2022年1月以降の格付け推移(続き)
(BRICSで断然トップの中国、ウクライナ戦争後「NR」に転落したロシア!)
(2) BRICS5カ国の格付け推移
2022年 2023年 2024年 2025年
1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月
中国 A+→ A+→ A+→ A+→ A+→ A+→ A+
インド BBB-→ BBB-→ BBB-→ BBB-→ BBB-→ BBB-→ BBB-
ブラジル BB-→ BB-→ BB-→ BB-→ BB-→ BB→ BB
南アフリカ BB-→ BB-→ BB-→ BB-→ BB-→ BB-→ BB-
ロシア BBB-→ NR→ NR→ NR→ NR→ NR→ NR
BRICSと略称される中国、インド、ブラジル、南アフリカ及びロシア5カ国の2022年1月時点での格付けは、中国が「A+」と他の4カ国に比べ突出して高い格付けを得ていた。中国に続くインド及びロシアは共に「BBB-」で、投資適格の中でも最低の格付けであった。ブラジル及び南アフリカは共に「BB-」で投資不適格の格付けであった。
しかし、同年2月にロシアがウクライナに侵攻すると、ロシアは一気に「NR」(格付け無し)となり格付け対象から外された。これに対して中国とインドはその後「A+」及び「BBB-」の格付けを維持している。
投資不適格とされたブラジルと南アフリカは2024年1月まで同じ「BB-」であったが、ブラジルは2024年上半期に「BB」に格上げされている。
なお、「BB」、「B」格付け定義は以下のとおりである。
「BB」:債務者は短期的にはより低い格付けの債務者ほど脆弱ではないが、高い不確実性や、事業環境、金融情勢、または経済状況の悪化に対する脆弱性を有しており、状況によってはその金融債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある。
「B」:債務者は現時点ではその金融債務を履行する能力を有しているが、「BB」に格付けされた債務者よりも脆弱である。事業環境、金融情勢、または経済状況が悪化した場合には、債務を履行する能力や意思が損なわれやすい。
(続く)
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