石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今年及び来年の世界の成長率3.3%、前回見通しとほぼ変わらず:IMF世界経済見通し (上)

2025-01-28 | 今日のニュース
IMF(国際通貨基金)が「世界経済見通し(World Economic Outlook Update、January 2025)」を発表した。 このレポートでは全世界、EU、ASEANなどの主要経済圏及び日米中印など主な国々の2023年(実績)から2026年(予測)まで4年間のGDP成長率が示されている。

本稿ではまず世界、主要経済圏、主要国の今年の成長率を概説し、次いで前回2023年10月の経済見通に比べどのように見直されたかを点検する。さらに3年間(2024、2025及び2026年)の成長率の変化を合わせて検証することとする。

*WEOレポート(日本語版): 

(今年の世界の成長率3.3%、EU圏は前回見通しを下方修正、米国は上方修正!)
1.2025年のGDP成長率
 今回1月見通しでは今年の世界の成長率は3.3%とされており、前回10月の3.2%とほぼ変わらない。これは主に米国の上方改定と他の主要国の下方改定が相殺されたためである。

1-1.主要経済圏の成長率
 経済圏で見るとEU圏の2025年の成長率は1.0%であり、10月の1.6%より▲0.6%低下している。中東・中央アジア諸国も3.9%から3.6%に引き下げられている。これに対してASEAN5カ国は4.5%から4.6%とわずかながらも上方修正されている。EU圏は後に触れる通り経済回復が遅れているドイツが、また産油(ガス)国が多い中東・中央アジア諸国はエネルギー価格の停滞が成長の足を引っ張っているようである。

1-2.主要国の成長率
 国別では今年の成長率は米国2.7%、日本1.1%、ドイツ0.3%、英国1.6%、中国4.6%、インド6.5%、ロシア1.4%である。中国はかつて高い成長率を誇っていたが、昨今は5%未満の成長率が続いている。ヨーロッパ諸国は上記の通りEU圏の成長率が1%台、中でもドイツは0.3%の成長にとどまり、また英国も世界平均を大きく下回っている。ロシアの2025年成長率1.4%は昨年10月の見通しとほぼ変わらない。

 一方アジアではインドが世界平均を2倍近く上回る6.5%と世界最高水準の成長を達成すると見込まれ、ASEAN5か国も4.6%の成長率が見込まれている。中東産油国のサウジアラビアの今年の成長率は世界平均と同じ3.3%であるが、昨年10月の見通しと比較すると▲1.3%の大幅下方修正である。

(続く)

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