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(目次)
第2章 戦後世界のうねり:
060ゲリラになるか?難民になるか? 彷徨えるパレスチナ人(1/4)
1964年の設立当初からしばらくの間PLOは穏健な政治闘争でパレスチナ人の民族自決権回復と離散したパレスチナ難民の帰還運動を行っていた。しかし期待していた近隣アラブ諸国の為政者たちの支援は口先ばかりであり、1967年の第三次中東戦争(別名6日間戦争)で為政者たちの鼻っ柱は見事にへし折られた。PLOの領土奪回の夢はさらに遠のき、それどころか百万人の新たなパレスチナ難民がヨルダンに流れ込んだのである。パレスチナ人たちはアラブの同胞に失望し、PLOは過激なゲリラ闘争組織に変身していく。
PLOを構成する数多の組織の中で頭角を現したのがファタハであった。ファタハは反イスラエルのゲリラ組織を結成、イスラエルとヨルダンの国境でイスラエル軍を撃退するなど戦果をあげた。1969年2月、PLO第2代議長にファタハのアラファトが就任した。エジプトのナセル大統領は彼に「パレスチナの指導者」というお墨付きを与え、これによりPLOは実質的なパレスチナ亡命政府となった。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com
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